ヤミ専従問題 神戸市、組合費天引き廃止 条例修正案可決見通し

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神戸市役所=神戸市中央区

 神戸市職員労働組合(市職労)のヤミ専従問題に絡み、給与から組合費を天引きできなくする条例改正案を審議中の神戸市会(定数69)が、一部修正の上で可決する見通しであることが4日、神戸新聞の取材で分かった。当初は採決を棄権する構えも見せていた公明会派(12人)が、今年4月1日とされた施行日を1年延期し猶予期間を置く修正案を提出する方針を固め、原案を出した自民党会派(21人)と維新会派(6人)も賛同する方針。可決されれば、9割超とされた市職労の組織率にも影響するとみられる。(霍見真一郎、若林幹夫)

 神戸新聞の調べでは、組合費の給与天引きは全国20ある政令指定都市のうち大阪と北九州を除く18市で実施している。神戸市の条例改正案は昨年10月、自民、維新両会派が「自由意思に基づく加入が阻害されている可能性が高い」として提案。当初は公明が消極姿勢で、市人事委員会が「市職労が各組合員に加入継続や天引きの意向確認を進めている」として慎重な対応を求めたこともあり、市会総務財政委員会は同11月、継続審査を決定していた。

 その後、市職労の1月末の集計で、組合員7179人中、残留し天引きに同意するとしたのは4914人(68%)にとどまり、脱退希望は1130人(16%)だった。1082人(15%)が未回答で、修正案が可決されればこの回答に影響する可能性がある。

 修正案の提案理由について公明会派関係者は「第三者委員会の調査で労使癒着の実態が次々と明るみに出る中、支持者の間で給与天引きに対する意見が変わっていった。労使ともに信用が失墜した今、天引きを容認することはできない」としている。

【神戸市職員労働組合(市職労)の労使癒着問題】 市から給与をもらいながら組合活動をする「ヤミ専従」が昨年9月に発覚。市当局が法定上限を超えた専従許可を出したり、元組合役員に退職金を過払いしたりするなどの違法行為が次々と明らかになった。新規採用職員向け研修で市職労役員が講師を務めた後に勧誘と加入手続きが行われる慣習が問題視され、市職労は同11月中旬から全組合員対象に加入継続の意思などの確認作業を行っている。