横須賀の巡視艇「すがなみ」引退へ なだしお事故で配備

 15日に引退する横須賀海上保安部の巡視艇「すがなみ」が4日、ヴェルニー公園(横須賀市汐入町)近くをパトロールした。1989(平成元)年に進水し、海の安全を見守ってきた巡視艇は平成の終わりとともに、間もなく任務を終える。

 すがなみ(全長27メートル、総重量55トン)は、88年7月に横須賀港沖合の東京湾で、海上自衛隊の潜水艦「なだしお」と遊漁船「第1富士丸」が衝突し、乗客・乗員30人が死亡した事故を受け、保安部に追加配備。90年に就役し、海上交通の過密海域で交通整理を担ってきた。

 4日には、恐らく最後となるパトロールを実施。米海軍横須賀基地とヴェルニー公園の間の海を航行し、観光客らに人気の「YOKOSUKA軍港めぐり」のクルーズ船とも行き違った。市民憩いの場としてにぎわう公園から、カメラを向ける市民もいた。

 すがなみは15日、保安部で解役式を迎える。

15日の引退を前に、パトロールする巡視艇「すがなみ」

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