INF破棄通告撤回を 長崎被爆者5団体 米大統領に抗議文

 米国が中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄をロシアに通告したことを受け、長崎の被爆者5団体は5日、通告の撤回を求める抗議文をトランプ米大統領宛てに送った。
 在日米国大使館に郵送した抗議文で、5団体は「破棄通告によりロシア、中国との新たな核軍拡競争が懸念される」と指摘。核軍拡の姿勢を示す米ロに対して「核兵器禁止条約に真っ向から反する暴挙」とし、米国に通告を撤回し世界の核廃絶を先導するよう求めた。
 各団体の代表者5人が長崎市役所で記者会見し、長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)の田中重光会長(78)は「破棄通告は被爆者にとって腹の底が煮えくり返る思い」と批判。県被爆者手帳友の会の井原東洋一会長(82)は「地球破滅に向かうような軍拡競争を始めることは許されない。日本は国際平和の役割を果たすべきだ」と話した。

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