うみたまごの雌のセイウチ「泉」 鳥羽水族館へ【大分県】

繁殖のため無償貸し出し

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繁殖のため鳥羽水族館に貸し出されるセイウチの泉=5日、大分市のうみたまご

 大分市の大分マリーンパレス水族館「うみたまご」は繁殖のため、雌のセイウチ「泉(いずみ)」を鳥羽水族館(三重県鳥羽市)に短期間貸し出す。野生の個体が国際的な取引価格の高騰で入手困難になっている中、水族館同士が力を合わせて安定的な確保を目指す新たな試み。繁殖は国内の成功例がまだ少なく、関係者は「うまくいって」と期待を寄せている。

 うみたまごによると、セイウチは北極圏に近い氷上に生息している。近年、中国に水族館が増えたことなどを背景に、取引価格が大幅に上がっているという。

 同館では1日2回のショーでパフォーマンスを披露。来場者とキスやにらめっこをして触れ合うなど人気がある。

 田中平館長らは国内で安定確保できる繁殖態勢をつくろうと、昨年6月ごろから、セイウチのいる全国の水族館・動物園に連携を打診。今年1月、鳥羽水族館と話がまとまった。

 施設間で動物を譲渡、貸借する場合、通常は動物同士を交換したり、金銭が発生する。今回は連携しやすいように、所有権を残したまま無償で貸し出す「ブリーディングローン」を利用して取り組む。

 泉は生後5カ月でロシアから来て現在13才。体重は約630キロ。うみたまごにいる雌3頭のうち、最も体重が軽くて移動させやすく、健康状態も考慮して選んだ。

 7日のショーに出演した後、スタッフ1人と共に鳥羽水族館へ移動。約3カ月間滞在して、雄1頭とペアリングする。妊娠すれば出産はうみたまごでする予定。

 田中館長は「各水族館がセイウチを長期的に確保していくためには、施設間の協力が欠かせない。新たな挑戦を成功させ、この手法を広げていきたい」と話している。