「マジで良い球投げます」甲斐拓也が絶賛 鷹ドラ1甲斐野の底知れぬポテンシャル

工藤監督が見つめる中ブルペン入りしたソフトバンク・甲斐野央【写真:福谷佑介】

6日はブルペンで53球を投げ、7日に打撃投手として登板

 2年連続日本一に輝いたソフトバンクがキャンプを張る宮崎・生目の杜運動公園野球場。春季キャンプ第2クール2日目の6日、ブルペンでファンの目をクギ付けにする、威力あるボールを投げ込むルーキーがいた。ドラフト1位の甲斐野央投手だ。

 この日、森唯斗投手、アリエル・ミランダ投手、ロベルト・スアレス投手とともにブルペン入りしたドラ1右腕。最も観客席に近いマウンドに立つと、まずは谷川原健太捕手を相手にボールを投げ込んだ。一度、ブルペン捕手に引き継がれたが、ミランダのボールを受け終えた正捕手の甲斐拓也捕手がさらに交代した。

 キャンプ2度目の“甲斐甲斐バッテリー”となり、そこからも熱のこもった投球は続く。オーソドックスなフォームから繰り出されるボールは糸を引くように、そして唸りをあげて次々と甲斐のミットに飛び込んでいく。乾いた捕球音がブルペン中に響き、その様子を観覧席を埋めたファンが固唾を飲んで見守った。

「ここまでは順調に来ていると思います。体は疲れていますけど、今日は疲れているなりに投げられました」と、この日投じた53球を振り返った甲斐野。即戦力の期待を受けて入団した右腕だが、その姿には大きな期待感を抱かせる。東洋大時代に記録した最速159キロの触れ込みはダテではない。他の1軍投手陣とも遜色ないほどのボールを投げ込んでいた。

 甲斐野のポテンシャルを、受けた甲斐も絶賛する。「今日は良かったですね。速い、速いですね。本当に(指に)かかったいいボール投げていました。いいピッチャーですし、出てくるだけの力はあると思う。あとは実戦始まってどうなの、変化球どうなのとかありますけど、マジでいい球投げます」と評していた。

 ソフトバンクのリリーフ陣は群雄割拠。昨季故障で離脱していた守護神のサファテは近く来日予定。岩嵜も復帰に向けて調整を進めており、昨季セーブ王に輝いた森唯斗も健在。加治屋蓮や嘉弥真新也らの調整遅れは気がかりだが、候補者は数多くいる。ルーキーがそこに割って入るのは至難の業だが、甲斐野にはそうなれるだけのポテンシャルを感じさせる。

 7日にはキャンプ初の打撃投手を務める予定の甲斐野。ホークスの主力打者がどんな反応を見せるのか。まず1つ、期待の右腕がどれだけのボールを投げるのか、注目だ。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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