「やり残したことある」 黒岩知事が3選出馬を正式表明

 任期満了に伴う神奈川県知事選(3月21日告示、4月7日投開票)で、黒岩祐治知事(64)は6日、3選を目指して無所属で立候補すると正式表明した。横浜市内で会見し、「やりがいのある8年でそれなりに形になったが、まだやり残したこともある」と強調。未病改善の取り組みなど、黒岩県政の継続に意欲を示した。

 知事は2期8年の実績について「『いのち輝くマグネット神奈川』として、国に先駆けた独自提案をやり、国も動いた」と説明。気力や体力は「大変充実している」とする一方、再生可能エネルギーの数値目標や健康寿命を延ばす取り組みが未達成とし、「まだまだ取り組まなければいけない」と述べた。

 また、9月に開幕するラグビーワールドカップ(W杯)や来年の東京五輪に触れ、「努力して勝ち取ったからこそ、最後まで見届けたい」と力を込めた。

 政党への支援要請については「共産党以外はすべてお願いをする」と説明。過去2回の知事選と同様に、与野党を問わず「オール神奈川」の態勢を目指すとの考えを示した。

 約40分の会見で知事はこれまで手掛けた事業への思いを中心に語り、新たな政策集などは公表しなかった。同席した後援会の小谷昌会長(元京浜急行電鉄会長)は「2期の成果は大いに評価できる。8年の実績を踏まえ、県民に信を問いたい」と述べた。

 知事はフジテレビの元キャスターで、2011年の知事選で自民、民主(当時)、公明など与野党による推薦を受けて初当選。一騎打ちとなった15年もほぼ同様の構図で219万票を獲得し、共産党推薦の新人に圧勝した。

 今回の知事選では、新人で市民団体代表の岸牧子氏(62)が無所属での出馬を表明している。

知事選への出馬を表明する黒岩知事=6日夜、横浜市内のホテル

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