子育て中がん患者「支え合い」広がる サイトで悩み共有

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交流サイトで知り合った人たちと子どもへの向き合い方や近況、今やりたいことなどを語り合うがん患者ら(大阪市内)

 子育て中のがん患者らがつながるインターネットサイトやサロンが注目を集めている。周囲に相談できる同世代の当事者がなかなかいない中、子どもへの病気の伝え方や向き合い方、治療や仕事の悩みを率直に語る場として近畿でも広がっている。大阪市や大津市で開かれたサロンを訪ね、当事者の声に耳を傾けた。

 「伝えることができたのは、同じ立場の人が背中を押してくれたから」。子宮頸(けい)がんなどを発症した京都府内の女性(50)は、当時小学5年だった一人娘にどう伝えたらいいのか迷ったが、子どもを持つがん患者の交流サイト「キャンサーペアレンツ」に参加し、「子どもを信じてあげて」と励まされたという。

 同サイトは当事者同士がインターネットで悩みや情報を共有しながら支え合う場だ。会員登録すると病種やステージ、年代など境遇が近い人を検索できる。35歳の時に胆管がんと診断された西口洋平さん(39)=東京都=が2016年4月に立ち上げた。

 「当時6歳だった長女のことが心配になったが、周りに同じ境遇の人が見つからず、孤独感があった」と振り返る。

 18歳未満の子どもを持つがん患者は毎年5万6千人も増えている。同サイトは設立から2年余りで会員が約3千人に達した。会員が顔を合わせる会も各地で開かれている。

 昨年12月に大阪市であった会では、参加者がニックネームで呼び合い、病状や近況、今やりたいこと、悩みを語り合った。2歳と3歳の子どもがいる宇治市の女性(35)は「30歳までは内気だったが、自分を隠していても仕方がない。一日一日を大事にしたい」と力を込めた。鳥取県の女性は「地元では子どもを持つ患者のサロンがないため、ぜひ立ち上げたい」と声を上げた。

 滋賀県がん患者団体連絡協議会は昨年4月、思春期や若年成人に当たるおおむね15~45歳のがん患者が集うサロンを始めた。大津市の大津赤十字病院で毎月第1土曜日、カウンセリングなどの研修を受けたがん経験者らが「ピアサポーター」として患者らの話に耳を傾ける。

 昨年12月に初めて参加した大津市の女性(38)は、17年に肺がんの告知を受けた。幼い長男に病気のことをどう伝えたらいいか、入院や治療時に誰に預けたらいいのか。ピアサポーターに悩みを相談し、「ここで同世代に会えて安心した」と笑顔を見せた。

 ピアサポーターの女性(48)は「がん患者同士でも状況は異なるので、分からないこともあるが、患者が周囲の人に期待するのは特別なことではなく、『その人のことを分かってあげたい』という気持ちではないか」と話す。