自民党籍ない4人 推薦要求 取り下げ 県議選、長崎市長選巡り

 今春の県議選、長崎市長選を巡り、県議会最大会派「自民・県民会議」(20人)に所属する自民党籍のない4人が自身の推薦を求める文書を自民党県連側に出していた動きについて、党県連の中島廣義幹事長=同会派所属=は6日、4人が推薦の求めを1月末に取り下げたことを明らかにした。6日の同会派での会合でも報告した。
 4人側からは、2017年夏に自民党県議団が2会派に分裂した状況を踏まえ「県連から推薦を得るのは難しく、『大人の対応』で取り下げた」などの声が聞かれた。
 4人は、県議選に立候補を予定している小林克敏=大村市区=、中山功=長崎市区=、大久保潔重=諫早市区=の各県議と、長崎市長選に出馬予定の高比良元県議=長崎市区=。
 中島幹事長によると、昨年10月に4人から推薦を求める文書を受け取り、預かって県連内に保管。選挙対策委員会などで議題にしたことはないという。推薦の求めが党支部を介していないことなどから、当初から「推薦は難しい」との見方だった。「(4人側から)『迷惑をかける』という配慮の思いも聞いた。ポスターなどに自民・県民会議所属を示すのは自由だ。しこりはない」と強調した。
 小林県議は「(県連内の勢力が)二つに割れた状況で推薦は有り得ないと考え、かえって話をごたごたするのはやめようと判断した」。高比良県議は同じ会派内の自民議員に対し「気持ちの中では協力できることは協力してくれるということで、ありがたい。市長選の応援に駆けつけてくれれば」と期待を膨らませた。
 同じ会派の吉村洋県議は自民県議団の分派後に「4人に会派に入ってもらい第1会派になれた恩義がある。自分としては『推薦』と同じ気持ち」と親密ぶりを表現。長崎市長選で同じ会派の県議が応援弁士に立ったり、県議選で無投票当選した議員が応援に行ったりする可能性にも言及した。

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