56年目でさらに「赤くなった」広島キャンプ地 新井貴浩氏が描かれた切符も

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「カープ一本道」では横断歩道までもが赤で塗装されている【写真:広尾晃】

日南市のJR油津駅はさらに赤く、新井貴浩氏の赤いスパイクも展示

 最近の宮崎県の春季キャンプでは、なんといっても広島の注目度が高い。セ・リーグ3連覇中ということもあって、人気はうなぎのぼりだ。

 広島1軍のキャンプ地は、日南市のJR油津駅から歩いて10分の日南市天福球場だ。JR宮崎駅からは日南線で1時間半ほどかかるが、毎日のように熱心なファンが押しかけている。

 昨年、JR油津駅は、広島カームのチームカラーである「赤」に塗り替えられた。日南市の有志が総出で塗装したものだ。キャンプの最寄り駅がチームカラーで塗られるのは前例がない。これによって広島春季キャンプの名物が、また一つ増えた。駅の前では、スマホで記念写真を撮るファンの姿が見られるようになった。

 今季、JR油津駅はさらにパワーアップ。駅舎構内の壁に「広島カープ優勝祈願」の紙札のコーナーを設置したのだ。ファンが「リーグ4連覇」、「今年こそ日本一」などと願い事を書いて掲示する。赤い紙札が、壁一面に掲示され、駅舎の構内も真っ赤になっている。さらに今年は、昨年限りで引退した新井貴浩氏の赤いスパイクも展示され、応援ムードをさらに盛り上げている。

 また、油津駅では宮崎駅までの「広島東洋カープセ・リーグ3連覇記念乗車券」を3000枚限定で発売。B5サイズの台紙には油津駅から天福球場へと駆け抜ける背番号「25」新井氏のイラストが描かれている。この記念切符は、宮崎駅の改札で提示すれば、回収されることなく手元に残る。ファンにとってはレアなアイテムと言ってよいだろう。

 最寄りの油津商店街では今年はアーケードにビニール傘を飾っている。ビニール傘と言えば、東京ヤクルトスワローズだが、その向こうを張る形になった。また商店街の油津カープ館でも、新井氏のスパイクなどを展示している。

 油津商店街から、1軍キャンプ地の日南市天福球場までは「カープ一本道」という、道路を赤く塗装した道が続いている。ファンはこの道をたどって歩けば、迷うことなく球場にたどり着ける。この一本道も名物になって記念写真を撮る人の姿を見かける。「カープ一本道」は横断歩道までもが赤で塗装されている。「赤と白のだんだらの横断歩道は、日本でここだけじゃないか」地元の人は語る。

 昨年は、パ・リーグが西武、セ・リーグが広島と、同じ日南市で春季キャンプを張る両チームがリーグ優勝を果たした。「日本シリーズになったら、どっちを応援したらわからない」と市民は戸惑ったが、CSで西武が敗れたためにそれはかなわなかった。

 日南の地で広島キャンプが始まって56年目。日南市民は「今年こそ日本シリーズを、日南シリーズに」と期待を高まらせている。(広尾晃 / Koh Hiroo)