なめがた地域医療センター 病院規模、大幅縮小へ JA茨城県厚生連検討

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土浦協同病院なめがた地域医療センター=行方市井上藤井

■入院や夜間救急中止

JA茨城県厚生連が「土浦協同病院なめがた地域医療センター」(行方市)の大幅な規模縮小を検討していることが7日、関係者への取材で分かった。今春からの入院病棟の段階的な閉鎖や、夜間救急の受け入れ中止案が浮上している。同病院は医師不足が顕著な鹿行地域に2000年開院し、救命救急を含む地域医療の中核的な役割を担っており、規模縮小となれば地域住民に深刻な影響を与えそうだ。

関係者によると、今年4月から急性期病棟を1カ所閉鎖し、20年4月からは入院患者の受け入れ自体の取りやめを視野に入れている。夜間救急の取りやめも検討している。背景には運営状況の悪化などがあるとみられる。

厚生労働省調査(16年時点)の人口10万人当たりの医師数別で見ると、鹿行医療圏は95.7人と県内で最も少なく、全国的に見てもワーストクラスとなっている。同地域の医師を確保するため、県とJA県厚生連、筑波大が連携して筑波大に寄付講座を設置し、同病院は筑波大から医師の派遣を受けている。

同病院は24時間365日体制で重い症状の救急患者を受け入れる「地域医療センター」として県が指定。行方、鉾田両市などの救急医療の中核を担う。17年の救急受け入れ件数は約1600件で、このうち約800件が夜間救急だった。

行方市の鈴木周也市長は茨城新聞の取材に、同病院の規模縮小について「正直驚いている。鹿行地域は医療機関の体制が脆弱(ぜいじゃく)で、(同センターの)救急部門や入院機能などが撤退するとなると、地域の医療を守ることができなくなってしまう恐れがある」と危機感を示し、「今後、厚生連や県に対し、地域医療を守るための対策を講じてもらうよう要望活動を行っていきたい」と話した。(成田愛、石川孝明)

★土浦協同病院なめがた地域医療センター

JAグループ茨城の県厚生連が県内6番目の病院として2000年6月、行方市井上藤井に「なめがた地域総合病院」として開院。一般病床199床。06年4月には救命救急センターを開設。鹿行地域で唯一、重篤な救急患者に対応する三次救急医療機関として、救命救急センターに準じた「地域救命センター」に県から指定されている。16年3月、土浦協同病院の移転に伴い現名称に変更し、同病院との連携を強化した。