キム・ギドク監督の問題作や話題のゾンビミュージカルを上映! ゆうばり映画祭2019

3月7~10日に開催される「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019」の記者会見が、2月6日に札幌市内で行われ、監督で特殊造型プロデューサーの西村喜廣氏らが出席した。

29回目の今年は、チャン・グンソクの主演作ながら「#Me Too」運動の影響でお蔵入りしていたキム・ギドク監督の話題作「人間、空間、時間、そして人間」(仮題)、世界各国のファンタスティック映画祭で話題を集めた“青春ゾンビミュージカル”「アナと世界の終わり」、大ヒット作の続編「レゴ®ムービー2」の3作品を招待作品として上映。ファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門の審査委員長を「孤狼の血」「止められるか、俺たちを」などで2018年多くの監督賞に輝いた北海道出身の白石和彌監督、インターナショナル・ショートフィルム・コンペティション部門の審査員を「モリのいる場所」などの沖田修一監督、「0.5ミリ」などの安藤桃子監督が務めることなどが発表された。また、30回の節目となる次回からは冬季開催を止め、時期や会場などを再検討して新しい形で映画祭を継続していく計画が明かされた。

同映画祭は、劇場公開前の話題作やここでしか見ることのできないカルト的な作品を数多く上映すると同時に、夕張市民がホストとなって映画人や来場者を迎えるアットホームな雰囲気が魅力。夕張市の破綻後は市民有志のNPOなどで作る実行委員会が主導し、民間企業の応援を受け、 “世界一楽しい映画祭”を合言葉に開催している。昨年は異例の大ヒットを記録したインディペンデント映画「カメラを止めるな!」(上田慎一郎監督)をいち早く上映し、ゆうばりファンタランド大賞(観客賞)を贈った。この「カメラを止めるな!」にちなみ、今回の映画祭テーマは「ファンタを止めるな!」に決定。“ファンタスティック”という原点を追求し、SF、ホラー、ファンタジー、アドベンチャー、アクション、サスペンス、コメディ、エロティック、バイオレンスなど娯楽色の強い作品を中心に、約70作品・企画をプログラムしたという。

“新しい才能の登竜門”として注目を集めるコンペ部門には425作品(日本:362作品、海外17カ国・63作品)の応募があり、オフシアター・コンペ部門には「いつくしみふかき」(大山晃一郎監督)など6作品、ショートフィルム・コンペ部門には「爆裂!カンフーミサイル」(大福監督)など15作品がノミネート。ほか、映画祭が独自の視点で選ぶゆうばりチョイス部門では「悪い女は良く稼ぐ」(原隆仁監督)など6作品、塩田時敏氏がプログラミングディレクターを務めるフォービデンゾーン部門では「クライングフリーセックスネバーアゲイン」(岩崎友彦監督)など6作品が上映される。

さらに今年は、西村氏がプログラミングディレクターとなり、「これぞファンタスティック映画!」という作品をセレクションする「コアファンタ部門」を新設。

「スパルタの海」(監督:西河克己/83年)から「VAMP」(監督:小中和哉/2019年)まで新旧織り交ぜた15作品を紹介するほか、サメ映画3本立てや名古屋シネマスコーレ特集上映、田口清隆監督セレクトの自主怪獣映画上映、清水崇監督を招いたトークイベントなどを企画しており、ファンにはたまらない内容といえそうだ。

このほか、映画祭前の3月2・3日には「さっぽろサテライト会場」(札幌プラザ2・5)を設け、18年のオフシアター・コンペ部門グランプリ作品「EDあるいは(君がもたらす予期せぬ勃起)」、ミュージカル「SING」、白石監督「日本で一番悪い奴ら」など8作品を上映する。

小網敏男実行委員長は「夢と心がときめく映画の祭典にしたい。4日間思う存分映画を楽しんでほしい」とPR。また、深津修一プロデューサーは「映画祭をより発展させるため、2020年からは新しい形で映画祭を続けたい」として、今後の開催継続への理解と協力を求めた。

ゆうばりファンタパスポート(前売り/2500円、当日/3000円)などのチケットは、チケットぴあ、ローソンチケットで2月9日から販売。詳しい上映スケジュールなど最新情報は公式サイトで随時公開する。

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