昇任問題集、京都府警元警視が偽名執筆か 企業名刺から着想?

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出版社側が作成したとみられる資料。執筆者欄には「南謙三」と記載されていた

 警察庁と17道府県警の警察官が、昇任試験の対策問題集を出版する民間企業の依頼を受け、問題や解答を執筆して現金を受け取っていたとされる問題で、京都府警の元警視が、偽名を使って執筆や現金の受領を繰り返していた疑いのあることが7日、関係者などへの取材で分かった。元警視は京都新聞の取材に「何も知らない」と疑惑を否定している。

 この企業は「EDU―COM」(エデュコム、東京)で、警察の昇任試験の対策問題集を発行。エデュコム社側が作成するなどした資料には、府警に実在しない「南謙三」の偽名で2012~15年に刑事、交通、生活安全、警備、総務、警務の全分野の問題を約150回にわたり執筆し、計約498万円を銀行振り込みで受け取っていたことを示す記載があった。資料の中に、元警視が南謙三と同一人物であることをうかがわせるデータがあった。

 また、元警視と面識のある府内の民間企業の社長が、約10年前に「南謙三」名義の名刺を作成し、元警視に手渡していたことも京都新聞の取材で判明した。名刺は社長が自社の営業用に作成したものだった。元警視がエデュコム社とのやりとりで偽名を使用するにあたり、この名刺から着想を得た可能性もある。社長は「元警視に名刺を渡した。彼が『南謙三』を名乗っていた理由は分からない」と話した。

 元警視は昨年12月、複数の女性警察官にセクハラ行為をしたとして減給の懲戒処分を受け、すでに退職している。

 エデュコム社を巡っては、西日本新聞が先月、10年からの7年間で計1億円以上が警察官に支払われ、企業側に多数の警察内部文書が流出していたことを報じた。京都府警では6個人・2団体に対して計約1千万円が支払われ、「部外秘」を含む約370件の内部文書が流出していたことも判明している。