平均年齢4歳上昇 58歳、投票率下落50%台… 平成の長崎県議選 振り返る 女性最多4人 でも8.6% 

 平成最後の県議選告示まで2カ月を切った。この約30年間に延べ366人の県議が誕生し、県政の懸案や地域の課題解決に取り組んできた。過去の選挙結果から候補者の年齢や投票率などをテーマに、平成の県議選を振り返ってみた。

■議会の変遷
 定数は平成最初の1991年の52からこれまでに6減の46。今回は今のところ59人が立候補する意向を示している。ここ約30年間の無投票選挙区を除く競争倍率は1.3~1.6倍で、大きな変動はない。選挙区別で最も倍率が高かったのは2007年の南松浦郡区。定数1に5人が乱立し、倍率は5倍だった。
 県政に大きな影響力を持つ第1会派は、長く自民党の指定席となってきた。
 だが、政権交代後初の改選となった11年、自民候補の当選数が過半数に届かず、その後の会派構成で三つに分裂。このうちの1会派と非自民会派が“連立会派”を結成し、半数を占め、非自民が主導権を握った。その後も離合集散を繰り返し、現在は自民議員と無所属議員で構成する会派が最大会派となっている。

■年齢
 60代以上の候補者が増えた。今回立候補を予定する人のうち、60代以上は42.3%で1991年と比べると、14.2ポイント増えた。この約30年間で平均年齢は約4歳上がって約58歳。立候補予定者の最高齢は85歳。

■投票率
 91年の70.15%をピークに低迷傾向が続く。95年に60%台に割り込み、投票時間を延長するなどした99年は微増。2003、07年と続けて低下し、11年は東日本大震災後の選挙活動の自粛ムードもあり50%台に突入。15年は過去最低の50.89%だった。選挙権が「18歳以下」になって初の県議選となる今回、投票率が上がるかどうか。

■女性
 1999年の県議選で12年ぶりに女性が当選。それ以降、毎回4、5人の女性が立候補し、2007年は県政史上最多の4人になった。だが、その後増えることはなく、今も4人のまま。現定数に占める割合は8.6%と1割にも満たず、女性の政治進出は進んでいない。
 今回は、政党に候補者数を「できる限り男女均等」にするよう促す「政治分野の男女共同参画推進法」が施行されてから初めての県議選。現段階で立候補予定者数は8人になっている。

■議長、副議長
 議長と副議長経験者の出身地で多いのはどこか。
 平成に入って議長になったのは延べ17人。出身地別では佐世保市が最多の5人。次いで長崎、諫早、平戸各市が2人ずつで続く。五島、南島原、西海、島原各市と西彼長与、時津両町は各1人。
 副議長経験者27人の中では、長崎市の7人がトップ。議長数で最多だった佐世保市は3人で2位だった。島原、大村、諫早各市が2人ずつ。南島原、五島、対馬、平戸、雲仙、西海各市と、新上五島、西彼長与、東彼波佐見、川棚、北松江迎各町は1人ずつだった。

■大接戦
 注目を集めた接戦もある。最も僅差だったのは11年の長崎市区。最下位当選者と次点の差はわずか4票。落選者が無効票を含めた票の再確認を求め県選管に申し出、再点検する事態に発展した。
 大村市区は2回連続で大接戦だった。03年は無所属新人が自民現職に11票差で勝利。07年には元職が現職を13票の僅差でかわした。
 今回の県議選でもこうした激戦があるのか注目される。

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