元Jリーガー・国吉貴博「AS栃木」コーチに

春から大田原に在住し指導

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今春からAS栃木のコーチを務める元Jリーガーの国吉

 元Jリーガーが“第2の故郷”で指導者のキャリアをスタートする。J1甲府などで活躍したMF国吉貴博(くによしたかひろ)(30)=東那須野中出身=が今春、県北を拠点とするジュニアユースなどのサッカーチーム「AS栃木bomdebola(ボン・ディ・ボーラ)」のコーチに就任する。小、中学時代を過ごしたサッカーの原点の地に戻り、「プロになる夢を与えるだけでなく、子供たちと共に人間として成長できれば」と抱負を語った。

 埼玉県川越市出身。父の転勤で黒磯市内(現那須塩原市)に移り住み、小学生時代に矢板ボン・ディ・ボーラ(現AS栃木)に入団した。ボールタッチに優れたドリブルが持ち味で中学卒業後は名門・静岡学園高(静岡市)に進学し、3年時に全国高校選手権大会で8強進出。県予選ではMVPや得点王など個人賞を総なめにした。

 高校卒業後に甲府入りし、プロ11年間でJリーグ通算196試合出場、11得点。2017年シーズンのJ3富山を最後に現役引退した。4年間在籍した甲府では出場機会に恵まれず、富山では現日本代表FW中島翔哉(なかじましょうや)(カタール1部・アルドハイル)のプレーに圧倒され、「悔しいけど、かなわなかった」。けがも重なり実力不足を痛感した。

 引退後はIT関連企業に営業職として就職したが、現場を離れたからこそ実感するサッカー愛。次第に「崖っぷちに立たされてもいい。必死にサッカーと向き合いたい」との思いが強くなった。そのタイミングで声を掛けたのが、少年時代に自身の能力を見いだしてくれたAS栃木の津守直人(つもりなおと)代表(46)だった。

 今春から大田原市内に転居し、中学生世代を中心に指導する予定。「自分の強みはプロの経験。ボールタッチの質や周りを見るタイミングを教えられれば」と話す。

 技術指導はもちろん、チーム出身の元Jリーガーとして、子供たちに夢を与える存在としても期待される。「最も大事なのは人間力の形成。チームでプレーすることの意味を伝えていきたい」と言葉に力を込めた。