議員の犯罪、厳格化を 過去踏まえ条例改正へ 葉山町議会

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 葉山町議会は、罪を犯した現職議員への対応を厳格化するため、関連条例の改正案を12日開会の町議会第1回定例会に提出する。公職選挙法で失職に該当しない執行猶予付きの有罪判決が確定した議員が辞職せず、報酬も支払わざるを得なかった過去を踏まえ、辞職すべき犯罪の範囲や、報酬などを一時差し止める要件などを見直した。ただ罰則はなく、職を辞するかどうかは個人のモラルに委ねられたままだ。

 一部改正を目指すのは、(1)町議会議員政治倫理条例(2)町議会の議員の報酬および費用弁償等に関する条例(3)町議会基本条例の3本。

 (1)では、有罪判決が確定した後、議員が自ら辞職手続きを取るべき犯罪などの範囲を拡大。現行は贈収賄など職務関連のみだが、放火や殺人、麻薬や覚醒剤の所持・使用、飲酒運転など議員の適性を欠くものと、執行猶予付き判決を追加する。また(1)を順守する宣誓書の提出を義務付ける。

 (2)では、報酬と期末手当を一時差し止める要件を見直す。逮捕など身柄を拘束された期間に限っていたのを、(1)で規定する犯罪で起訴されてから判決が確定するまでの間で、定例会などを一定期間欠席した場合も加える。さらに執行猶予付きでも有罪判決が確定すれば、差し止めた報酬などは支給しない。

 (3)では、(1)などを学ぶ研修を議員に義務付ける。

 条例改正への動きは、男性町議が2016年2月、覚せい剤取締法違反容疑で現行犯逮捕されたのがきっかけだ。同年5月に同法違反罪で執行猶予付きの判決が確定した。

 逮捕後、議会は辞職を勧告した上で、議員資格なしと決定。失職した町議は不服として県知事に審査を申し立て、知事が議会の決定を取り消し、町議は復職。その後、議会から除名処分を受けて再度失職したが、最初の失職から2度目の失職までの報酬など約237万円を受け取った。

 こうした事態を招かないよう、議会は専門家の意見も取り入れながら、議会運営委員会で協議し、改正案を2年掛けてまとめた。

 ただ、課題も残る。公職選挙法で職を失うと規定しているのは「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまでの者」(収賄罪などを除く)。ただし有罪判決でも執行猶予付きならば失職せず、辞職しなくても構わない。

 改正条例には罰則がなく、結局は議員のモラルに委ねられる。伊東圭介議長は「公選法や地方自治法といった上位法がある中、どこまで規定を設けられるか、検討してきた」と説明。「地方議会にできることは限られる。今後も法改正などを国に働き掛けたい」とした。

葉山町役場