翁長前知事の“遺言” 10日まで東京都内で企画展

 沖縄で辺野古新基地建設阻止の先頭に立った前県知事・故翁長雄志さん=享年(67)=の名言を集めた企画展「沖縄県知事 翁長雄志の『言葉』展」が8日、有楽町朝日ギャラリー(東京都千代田区)で始まった。翁長さんの“遺言”をたどり、民主主義国としての在り方や政治家と言葉について考える。10日まで。

 沖縄の現状や思いを本土の人々に伝えようと、沖縄タイムス社の主催。翁長さんの言葉をパネル約30点で紹介している。「日米の安全保障体制は沖縄という砂上の楼閣に乗っている」と県民の思いを代弁し、膵(すい)がんを患いながら「この病気と向き合い、知事の責任を全うしたい」と決意を述べ、日本の民主主義の成熟度や国と地方の関係を問い続けた言葉が写真や新聞記事とともに並ぶ。

 急逝1カ月半前となる昨年6月23日の「慰霊の日」にかぶった黒い帽子や、言葉の源流と言える父助静さんの琉歌など、ゆかりの品々も展示。翁長さんの功績を振り返る映像を鑑賞できる。10日午後3時からは、TBSキャスターの松原耕二さん、沖縄戦後史研究家の平良好利さんらによるトークイベントを開催。言葉に込められたメッセージを読み解く。

 午前11時~午後7時(最終日は午後5時まで)。入場無料。問い合わせは、沖縄タイムス社編集局政経部電話098(860)3551。

ゆかりの品々が並ぶ「沖縄県知事 翁長雄志の『言葉』展」=東京都千代田区の有楽町朝日ギャラリー

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