平和の尊さ 映画で訴え 監督作品を上映 第9代高校生大使・大川さん

 2006年に第9代高校生平和大使として活動した東京都の映画監督・ディレクター、大川史織さん(30)監督のドキュメンタリー映画「タリナイ」(18年、93分)の上映会が9日、長崎市内であり、平和の尊さを訴える映画を多くの市民が鑑賞した。
 大川さんは東京都出身。県外出身平和大使として活動し、大学卒業後に太平洋・マーシャル諸島に移住、3年間生活した。帰国後、太平洋戦争中にマーシャル諸島で戦死した日本兵の遺族と知り合い、「タリナイ」を製作した。
 「タリナイ」の長崎上映は昨年9月以来、2度目。同諸島で飢えのため死亡した日本兵の日記と遺言が遺族に届けられ、日本兵の息子が戦後71年を経て父の最期の地を訪ねる姿が、スクリーンに映し出された。
 大川さんは上映後、長崎市出身のジャーナリスト高瀬毅さん(64)と対談。「映像の力でさまざまな角度からメッセージを感じてもらいたい」と語った。
 上映会は16日に佐世保市平瀬町の佐世保市民文化ホール、24日に諫早市宇都町の諫早市健康福祉センターでも開かれる。午前11時と午後3時の2回上映。

上映会後に対談する大川さん(左)と高瀬さん=長崎市、長崎原爆資料館ホール

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