思い出を胸に ありがとう 五島、3保育園統合へ 白百合愛児園で閉園式

 長崎県五島市岐宿町の社会福祉法人白百合会(奈切博理事長)は、同町で運営する三つの保育園(白百合愛児園、山内保育園、川原保育園)を本年度いっぱいで閉園する。3園は統合し、4月から新たなスタートを切る。最も長い68年の歴史がある白百合愛児園で9日、閉園式があり、園児や出席者が別れを惜しんだ。
 閉園と統合は、少子化に伴う園児の減少で定員割れが続き、現状のままでの経営が困難になったことが要因。統合後は「白百合愛児園」の名称を引き継ぎ、同町の楠原教会そばで建設中の新園舎に移る。
 白百合愛児園は1951年に開設し、69年に現在の園舎が完成した。これまでの卒園生は計1416人(本年度含む)。地域住民らもボランティアで園庭の芝刈りをしたり、園児と触れ合ったりして、運営に協力してきた。
 式には、園児や保護者、住民ら約100人が出席。奈切理事長は「温かな愛情で園児を見守ってくれた地域の方や関係者に感謝したい」とあいさつ。かつて在園し、子2人と孫2人も同園に通った小倉鹿太郎さん(67)は「先生の優しく、愛に満ちたまなざしを思い出す」と記憶をたどった。
 式後は園庭に集まり、コスモスの種を結び付けた風船を空に放った。川原、山内両保育園の閉園式はそれぞれ16、17日にある。

一斉に風船を飛ばす園児や職員、保護者ら=五島市、白百合愛児園

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