熊本県西原村・小森仮設、団地集約へ 引っ越し「不安」 熊本地震

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小森仮設団地の集約方針について質疑応答があった西原村主催の事前説明会=同村

 熊本地震の被災者が暮らす熊本県西原村の建設型仮設住宅「小森仮設団地」(312戸)の集約に向けた事前説明会が終了した。入居期限の7月までに集約し、その後は村所有の住宅となる木造50戸を除いて約80戸程度になる見通し。県内の仮設団地で初の大規模集約となるが、約100人の参加者から反対意見はなかった。

 1月28日夜、同団地内の集会場で1回目の説明会が開かれた。村震災復興推進課の説明が終わると、入居者が次々に質問。31日まで昼夜に分け開かれた説明会には94人が参加し、引っ越し費用のほか、スロープや手すりの移設費用、入居する部屋の決め方、駐車場などについて疑問点が寄せられた。

 「被災された方々の負担にならないよう、丁寧に対応していきたい」と同課。3月に予定する個別相談会では、家族構成や車の台数、インターネット回線の有無など世帯ごとの状況をヒアリングする。

 小森仮設団地は、村所有の約4万9千平方メートルの土地に、県が2016年7月に整備した。10~87戸の五つの棟に分かれており、同年11月のピーク時に301世帯841人いた入居者は、昨年12月末時点で131世帯359人に。入居率は約42%と、空き室が半数を超えている。

 集約は、孤立化の防止とコミュニティーを維持するのが目的だ。村は、村所有の住宅となる木造棟に最も近い棟(82戸)に集約し、引っ越してもらう方針で、集約後に残った棟は県によって解体・撤去される見通し。

 一方、集約が進めば県、国の公費負担は軽減する。仮設団地のプレハブ住戸のリース費用は西原村だけで年間5千万円超で、別に施設の維持管理運営費が年間2千万円かかっている。

 同団地の自治会長の一人、平島睦子さん(58)は「これだけの税金がかかっているので、集約がなぜ必要なのかは理解ができる」と話す。

 入居者にとって最大の関心事は引っ越しに伴う負担だ。費用は、熊本地震復興基金交付金から1世帯当たり10万円を上限に支給されるが、平島さんは「荷物の整理や梱包[こんぽう]など入居者にとって引っ越しに伴う負担は大きい。集約はあくまで行政からのお願いなので、みんなの不安を払拭[ふっしょく]できるよう、一人一人の声を丁寧に聞いてほしい」と要望する。(田端美華)

(2019年2月10日付 熊本日日新聞朝刊掲載)