【平成の長崎】国立公園「雲仙」指定80周年 ハヤシライスを新名物に  平成26(2014)年

 国立公園「雲仙」指定80周年などを記念する各種事業のキックオフイベントが開かれた3月16日、会場となった仁田峠では、地元の雲仙温泉街が新たな名物料理として売り出す料理や飲み物が市民らに披露された。
 ▽ハヤシライス▽サラダ▽野菜や果物を材料にした飲料「スムージー」-の3品。同日から旅館や食堂計15軒で提供を始め、観光客増加による地域の活性化を狙う。
 ハヤシライスは、国立公園に指定された昭和初期、雲仙温泉街の食堂が外国人観光客をもてなそうと、カツ丼にデミグラスソースをかけて提供していたことにちなんだ。
 味付けや使用する肉の種類は店によって異なるが、共通条件は島原半島の野菜を使うこと。サラダ、スムージーも同様に半島産の野菜を活用。地元の土産品として知られる湯せんぺいをサラダに載せるなど趣向を凝らした店もある。
 雲仙温泉観光協会は記念すべき国立公園「雲仙」指定80周年と世界ジオパーク認定5周年を契機に、山々の自然を生かした運動と食、温泉を組み合わせたプログラムを検討。食事の面では地元の歴史や島原半島の恵まれた農産物をテーマにしたメニューを検討していた。
 同協会でハヤシライスの普及を担当し、自身が専務を務めるホテル東洋館でも提供する石田直正さん(40)は「ハヤシライスを味わうために雲仙を訪れて、深い歴史を感じてほしい」と呼び掛けている。 
(平成26年3月17日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

キックオフイベント会場で振る舞われたハヤシライスに興味を示す子どもたち=仁田峠

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