ローソン都内4店舗で「シェア傘」導入、ビニ傘削減へ

大崎にあるローソンに設置されたアイカサ

傘のシェアリングサービス「アイカサ」を展開するネイチャー・イノベーション・グループ(東京・渋谷)は2月7日、ローソン都内4店舗でアイカサを開始した。同サービスは1日70円で傘をレンタルできる仕組みで、現在3300人以上が登録している。ビニール傘はコンビニにとって大きな収益源だが、プラスチックごみ問題が深刻化するなか、ローソンは削減に向けて舵を切ろうとしている。(オルタナ編集部=吉田広子)

アイカサの導入が決まったのは、大崎の3店舗、霞が関の1店舗だ。1店舗につき20本を導入する。ネイチャー・イノベーション・グループとローソンは利用額に応じてレベニューシェアを行う。1年かけて実証実験を行い、導入店舗の拡大を検討していく。

日本洋傘振興機構の推定によると、日本国内の年間傘消費本数は1億2000~3000万本で、世界一の消費量とされる。そのうちビニール傘は8000万本に上るという。多くは使い捨てされているのが現状だ。

ネイチャー・イノベーション・グループは、こうした課題を解決しようと、12月上旬にアイカサを開始。東京・渋谷を中心に拠点を広げ、現在は約100拠点で約1000本のシェア傘を運用している。2月1日にはメガネスーパーとの業務提携も開始した。

同社の黒須健取締役は、「プラスチック問題や、中国の廃プラスチック輸入禁止措置を受けて、日本国内でもビニール傘を巡る問題が顕在化してきた。ビニール傘は大きな収益源だが、環境負荷が高い。シェア傘を導入することで、企業の環境価値を高めることができる」と話す。

黒須取締役は「12月にサービスを開始して以来、予想以上の反響があった。一方で、傘をシェアするという新しい習慣を根付かせるには、まだまだ工夫が必要だと感じている。利便性をさらに高め、ユーザーとともにムーブメントを起こしていけたら」と続けた。

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