大会のシンボル、炬火(きょか)が大きな拍手に包まれながら、静かに消えた。勝っても負けても、泣いて、笑った。老若男女、障害がある人、ない人。垣根を越えた友情が育まれた3日間。3日に閉幕した長崎がんばらんば大会。閉会式での選手、スタッフの晴れやかな表情が、大会の成功を物語っていた。
全国各地から約5500人の選手、監督らがエントリーした障害者スポーツの祭典。大会の最後は、長崎市出身のシンガー・ソングライター、さだまさしさんが優しい歌声で温かい心の交流に花を添えた。
1曲目の「長崎小夜曲」を歌い始めると、各県選手らによる幾重の輪がステージ前に自然と広がる。手を振ったり、跳びはねたり。グラウンド脇では、大型スクリーンに映し出された、さださんに向かって、腕を振り上げて全身で楽しむ選手団の姿。さまざまな個性が混ざり合い、誰もが幸せそうに、目を輝かせた。
曲と曲の合間、さださんは、胸を熱くしながら、目の前に広がる景色についてゆっくりと語りかけた。
「(日本中の)選手同士が一つにまとまり、盛り上がる素晴らしい光景。いつか、世界中がこんなふうに仲良くできる日が来ると信じています」
ステージ終了後。各県の選手らは、長崎県選手団やボランティアスタッフとハイタッチを交わしながら、笑顔で競技場を後にした。長崎の地から数々の夢が、高く、未来へ、羽ばたいた。
(平成26年11月4日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。
【平成の長崎】長崎がんばらんば大会 晴れやかにフィナーレ さださん歌で花添え 平成26(2014)年
- Published
- 2019/02/17 00:00 (JST)
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