歴史絵巻 華やかに 媽祖行列賑わう 長崎ランフェス

 長崎ランタンフェスティバルのメインイベントの一つ、「媽祖(まそ)行列」が10日、長崎市中心部であり、中国衣装に身を包んだ市民約100人が、銅鑼(どら)や太鼓の音に合わせ、厳かに街を練り歩いた。

 媽祖行列は江戸時代、長崎に入港した唐船の乗組員が、航海安全の神「媽祖」を唐船から降ろして唐寺に安置する「菩薩(ぼさ)揚げ」や、出港する際にまた船に持ち帰る「菩薩乗せ」を再現。「長崎ネットワーク市民の会」が中心となって毎年、取り組んでいる。

 この日は菩薩揚げがあり、媽祖を孔子廟(大浦町)から興福寺(寺町)まで約3時間掛けて運んだ。市中心部のベルナード観光通りや眼鏡橋などで披露された祭官の直庫(てっこ)や媽祖の守護神、順風耳(じ)と千里眼の演舞を、子どもを肩車した家族連れやカメラを構えた観衆がじっと見守った。

 孫たちと演舞を見ていた熊本県山都町の派遣社員、泉洋子さん(66)は「媽祖行列は初めて。(直庫らの)目つきが鋭く、姿勢もきつそうですごかった」と笑顔で話した。

 2回目の媽祖行列、「菩薩乗せ」は17日午後1時に興福寺で出発式をし、孔子廟(びょう)へ向かう。

長崎ランタンフェスティバルを盛り上げた媽祖行列=長崎市新地町

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