ジャイアンツはハーパーとの短期契約を希望

ブライス・ハーパー争奪戦に加わったことが報じられているジャイアンツだが、ハーパー自身が望む超大型契約の担い手となることはなさそうだ。USAトゥデイのボブ・ナイチンゲールによると、ジャイアンツには昨年9月にナショナルズがハーパーに提示して拒否された10年3億ドルのような超大型契約をオファーする意思はなく、比較的短期の契約を結ぶことを望んでいるという。フリーエージェント市場の目玉と見られたハーパーにとっては、厳しいオフシーズンが続いている。

ナイチンゲールによると、ジャイアンツはハーパーとの短期契約を目指す方針だという。ただし、昨オフにジャンカルロ・スタントン(マーリンズからヤンキースへ移籍)の残り契約2億6500万ドルを引き受ける意思を示していたように、決して超大型契約を結ぶ予算がないわけではなく、スタントンと同様の超大型契約をハーパーにオファーする可能性はゼロではないと指摘する。

ハーパー争奪戦に加わっているチームのなかでは、ジャイアンツは同じナ・リーグ西部地区に所属するパドレスやドジャースとともに、「ハーパーの地元・ラスベガスに近い」という地理的優位に立っているチームである。また、近年低迷が続くジャイアンツがフリーエージェントの目玉であるスター外野手の獲得に乗り出していることは、1992年オフにジャイアンツが当時史上最高額となる6年4400万ドルでバリー・ボンズと契約し、翌1993年の快進撃(103勝)につなげたことを思い起こさせる。

ジャイアンツのファーハン・ザイディ野球部門社長は、自軍がハーパーに対して正式な契約オファーを提示したかどうかを明らかにしていないものの、「我々とハーパーは互いに関心を持っている」と語っている。メジャー最弱と言っても過言ではないジャイアンツの外野手事情を考えると、ハーパーはチームにフィットする存在だが、ジャイアンツは短期契約のオファーでハーパーを満足させることができるのだろうか。今後の動向に注目が集まりそうだ。

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