マリナーズはエンカーナシオンをキープしたまま開幕か

今オフ、8年連続18本塁打以上をマークしているカルロス・サンタナがマリナーズに在籍していた期間は2週間足らずだった。彼はジーン・セグーラらをフィリーズへ放出したトレードでマリナーズに加入し、エドウィン・エンカーナシオンを獲得した三角トレードでインディアンスへ去っていった。そして、三角トレードの成立当初からすぐさま「転売」されることが予想されていたエンカーナシオンは、依然としてマリナーズに所属し続けている。マリナーズはエンカーナシオンの放出を模索しているものの、買い手が見つからないようだ。7年連続32本塁打以上を放っているエンカーナシオンは、このままマリナーズの一員として開幕を迎え、日本で行われる開幕シリーズでもプレイすることになりそうだ。

マリナーズに加入した当初から、再びトレードされることが予想されていたエンカーナシオン。シアトル・タイムズのライアン・ディビッシュは、「マリナーズはエンカーナシオンに対してトレード放出を検討していることを伝えた」とまで報じているほどだ。しかし、スプリング・トレーニング開始が目前に迫った現在もエンカーナシオンはマリナーズに所属し続けており、トレードに関する具体的な話も聞こえてこない。

マリナーズは、フリーエージェントの長距離砲、ネルソン・クルーズ(ツインズと契約)の争奪戦に敗れたチームがエンカーナシオン獲得を希望すると見込んでいた。クルーズ争奪戦にはツインズのほか、レイズ、アストロズなどが参戦。しかし、レイズはクルーズほどエンカーナシオンを高く評価しておらず、若手有望株の放出が不可避であるトレードにも消極的。また、アストロズはクルーズ獲得に失敗し、指名打者を複数の選手のローテーションで回していく方針を固めつつあるようだ。

よって、マリナーズがエンカーナシオン放出を希望しているにも関わらず、エンカーナシオンに対する需要がほとんどないというのが実情だ。この状況を踏まえ、ディビッシュは「エンカーナシオンはマリナーズの開幕ロースターに名を連ねる可能性が高い」と伝えており、来日メンバーにも含まれることになるだろう。ただし、マリナーズのジェリー・ディポートGMは積極的にトレードを仕掛けることで知られており、開幕までに何らかの動きがあってもおかしくない。レギュラーシーズン開幕の日まで、エンカーナシオンの動向を注視していく必要がありそうだ。

© MLB Advanced Media, LP.