「それではレギュラーは獲れない」西武・愛斗を変えた主力2人の背中

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西武・愛斗【写真:荒川祐史】

秋山、中村の練習姿勢を見て意識改革

 西武の4年目・愛斗外野手がレギュラー獲り宣言だ。第3クール初日の10日、シート打撃では1打席目でサウスポー佐野泰雄投手の前に初球で遊併打に終わったが、2打席目ではしっかりと修正し、ドラ1松本航投手からライト前ヒットを放った。

 修正したのは技術だけではない。練習に対しての考え方だ。

「練習のための練習になってはいけない」

「試合のための練習をする。だから、待っていない球が来たら見逃す。レギュラーの人たちは、みんなそうだった」

 シート打撃で凡退した後、先輩選手たちの練習を食い入るように見つめたからこそ気付いたことだ。

「秋山さんは追い込まれても粘ってバットにボールを当てようとしていた。そして打った後は、しっかりと走る。中村さんも、待っていないボールに対しては絶対に振らない。周りがどうこう言おうと『これは自分の打席だ』と考えている。実際の試合で、待っていない球を振るか? 振らないでしょう。だから、自分のために振っていかないと」

 気持ちを整え直し、迎えた2打席目。相手はルーキーの松本航だ。初球は142キロのストレートがアウトコースに来て、ストライク。2球目は141キロのストレートをファウルで弾き返した。追い込まれてからの3球目は不規則に変化するツーシームを見逃し、ボール。直球2つをファウルで粘り、1ボール2ストライクから134キロのカットボールにうまくタイミングを合わせてライト前に運んだ。

「今はボールがよく見えている。変化球をヒットにできたことも、追い込まれてから粘ったことも、(バットの)芯でファウルを打てたことも、内容的によかった」と満足そうに振り返った。

メンタルトレで手に入れることができた「心の強さ」

「正直、去年までの自分だったら、『練習の時間もあるし(早打ちでもいいや)』と考えてしまっていたと思う。でも、それではレギュラーは獲れない」

 そう気持ちを修正できたことが、あのライト前ヒットにつながった。

 精神力の充実が表情にもみなぎる。昨シーズン途中から個人でメンタルトレーナーをつけ、本格的に勉強を始めた。自分にとって取り組むべきテーマをしっかりと設定し、続けられる心の強さを手に入れた。「やれば結果が出る。それはわかっている。目標にしたことを全てやった中で、自分の世界に入る。レギュラーを獲りに来ているんだから」と、周囲に流されない集中力も身に着けた。

 激しい定位置争いの中で「レギュラーを獲りにきた」と繰り返す。強い意志が言葉に乗り移り、猛アピールでレギュラーをつかみにいく。(安藤かなみ / Kanami Ando)