客船寄港190回過去最多 横浜港、新ターミナル続々

 横浜港の今年のクルーズ客船の寄港数は約190回で、そのうち外国船が約90回となり、いずれも過去最多を更新する見通しとなった。横浜市は今年4月に大黒ふ頭(横浜市鶴見区)、秋には新港ふ頭(同市中区)に新たな客船ターミナルの供用をスタート。2020年東京五輪・パラリンピックを見据え、インバウンド(訪日外国人客)らが乗船する大小さまざまなタイプの客船を受け入れる機能を高めることで、日本を代表するクルーズ拠点港としてにぎわいが増しそうだ。

 大黒ふ頭客船ターミナルは、横浜ベイブリッジ外側の貨物岸壁を約700メートルに延伸して超大型客船に対応するもので、CIQ(税関・出入国管理・検疫)施設などが建設されている。

 本格的な運用を始めるのは4月19日。第1船は「海の女王」と称される英国籍の豪華客船「クイーン・エリザベス」(QE、9万900トン)。初めてとなる横浜発着の日本1周クルーズを2回実施するため、同月28日と5月5日にも大黒ふ頭に寄港する。ゴールデンウイーク(GW)期間中は他の超大型客船も利用することになっている。

 ベイブリッジをくぐれない大きさの超大型客船は、日本や東アジアでのクルーズ人口の増加に伴い人気が高まっている。大黒ふ頭に客船ターミナルが誕生する今年の超大型客船の寄港数は前年の11回から倍増となる22回を見込む。

 一方、ベイブリッジ内側の横浜・みなとみらい21(MM21)新港地区に今秋オープンする新港ふ頭客船ターミナルは、公民連携事業によるレストランやショップ、ホテルが一体となった複合施設として誕生する。

 市は4月から、現在休止中のベイブリッジ下層部の展望施設を兼ねた市道「スカイウォーク」を客船見学施設として一部を開放する。QEなど超大型客船が寄港する日に加え、ベイブリッジを通過して大さん橋に入港する土日祝日にも入場できるように具体的な運営方針を検討している。

 国際クルーズ拠点「国際旅客船拠点形成港湾」に指定されている横浜港では、国による岸壁などの整備が進んでいる。大黒ふ頭と大さん橋の客船ターミナルではそれぞれ2隻が同時着岸できるほか、新港ふ頭の新ターミナルや山下ふ頭、本牧ふ頭を活用すれば「日本で唯一、最大7隻の客船の同時受け入れが可能となる」(林文子横浜市長)。

 市の担当者は「横浜港はアジアでの発着クルーズ回数で6位にランクインしている。今年は東アジアのクルーズ拠点港として大きく飛躍する年になるだろう」と期待している。

大さん橋に同時着岸した外国客船=2018年4月25日、横浜港

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