NYの五つのオーケストラを直近のコンサート情報と共に紹介! 大都会に響くオーケストラ②

NY拠点の名楽団
市民のために演奏を続ける、市内の五つのオーケストラをジャピオンがピックアップ。直近のコンサート情報と共に紹介!

New York Philharmonic(nyphil.org) 【コンサート情報】 2月9日(土)8pm- @リンカーンセンター 「Brahms’s A German Requiem」 14日(木)〜16日(土) @リンカーンセンター (※時間はウェブ参照) 「Beethoven and Schumann」

NYフィル
コネティカット出身のバイオリニスト、ユーレリ・コルレリ・ヒルが1842年に創設した「ニューヨークフィルハーモニック(通称ニューヨークフィル)」。全米最古とされる同団は、「全米5大オーケストラ」の一つとしても数えられる、超名門楽団だ。リンカーンセンター内デービット・ゲフィンホールを本拠地としており、市内では希少な「常設会場を持つ」オーケストラでもある。

ドボルザーグ作曲の交響曲第9番「新世界より」を世界初演、ベートーベン交響曲第3番「英雄」を米国初演したことで知られる。また、9・11同時多発テロの犠牲者に捧げられた、ジョン・アダムス作曲のピューリツァー賞受賞作「On the Transmigration of Souls」の初演・音源録音も、ニューヨークフィルが担当した。

歴代で最も著名な指揮者は、国際的な評価を得る、レナード・バーンスタイン。彼が指揮者として頭角を現したことで、ニューヨークフィルの人気が再燃した。

バーンスタイン生誕100周年記念でもあった、2018−19年シーズンからは、オランダ出身のヤープ・バン・ズベーデンが指揮者に就任。19歳という史上最年少の若さで、アムステルダム拠点のロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のコンサートマスターに就任したことで知られる。

5日に発表された19-20年シーズンのプログラムは、女性作曲家19人にフォーカスを当てる「プロジェクト19」の他、元同楽団の音楽監督であり作曲家のグスタフ・マーラーの楽曲を集めたコンサートシリーズ、そしてドイツ、アイスランドの音楽家とのコラボなど。

ちなみに、13〜26歳なら、金曜日に無料で鑑賞できる週がある。

The New York Pops(newyorkpops.org)/NYポップス

【コンサート情報】
3月15日(金)8pm- @カーネギーホール
「Movie Mixtape: Songs from the Silver Screen」

4月29日(月)7pm- @カーネギーホール
「36th Birthday Gala」

ニューヨーク唯一にして全米最大級の、ポップス音楽専門オーケストラ「ザ・ニューヨーク・ポップス」。映画やミュージカル音楽、時にはジャズ、ロックなど、多岐にわたるジャンルを取り扱い、オーケストラファンのみならず多くの市民を魅了する。

カーネギーホールでの年次ガラ(特別公演)が伝統で、今年はシンディー・ローパーの楽曲がテーマ!

The Knights(theknightsnyc.com) 3月30日(土)2pm- @BRIC 「Family Show」 4月3日(水)7:30pm- @カーネギーホール 「Concert at Carnegie Hall」

ザ・ナイツ

2007年創立の「ザ・ナイツ」は、音楽家のジェーコブセン兄弟の自宅パーティーから始まったオーケストラ。16年からはブルックリンの芸術団体「BRIC」と提携。同地でコンサートを定期開催し、ブルックリンを代表するオーケストラとも称される。演奏者と観客の「垣根」を超えることをモットーに、バーからコンサートホールまで、市内各地で積極的に演奏している。

特筆すべきは取り扱うジャンルの幅。ビバルディの作品から、映画「ウエスト・サイド・ストーリー」の楽曲、バルカン地方の伝統音楽まで、なんでもお任せだ。世界の音楽家および楽器とのコラボレーションにも意欲的。オープンマインドの姿勢で、常に新たな音楽の魅力を発掘している。

American Composers Orchestra(www.americancomposers.org) 【コンサート情報】 3月20日(水)7:30pm- @ザ・パークNYC 「Gala: Forces of Nature」 4月11日(木)7:30pm- @カーネギーホール 「Where We Lost Our Shadows」

ACO

せっかく米国に住んでいるのだから、米国人作曲家の音楽に注目してみるのはいかが? 「アメリカン・コンポーザーズ・オーケストラ(ACO)」は、その名の通り米国人作曲家を専門に取り扱う、世界でも珍しいオーケストラだ。創立のきっかけは、2人の作曲家の「米国のオーケストラに、もっと米国人作曲家の作品を演奏してほしい」という思い。1977年の創立以来、のべ800人以上の作曲家の作品を演奏し、350以上の世界初演をこなしている。

特に米国の現代オーケストラ曲を得意とし、移民音楽がテーマのコンサートを開催したり、最新テクノロジーを導入したステージを作ったり、現代文化を意識した展開を見せる。

American Symphony Orchestra(americansymphony.org)/ASO

【コンサート情報】
3月22日(金)8pm- @カーネギーホール
「The Key of Dreams」

1962年創立で、オーケストラ音楽をより安価に、そしてより幅広い客層に届けることをミッションとしている「アメリカン・シンフォニー・オーケストラ(ASO)」。主な演奏会場はカーネギーホール。同オーケストラの顔的存在は、1992年から現在まで音楽監督を務める、レオン・ボットスタイン氏。リベラルアーツと芸術分野で知られる、アップステートのバード大学の学長でもあるため、同大学の関連行事でも度々演奏会が開催されている。

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