ハンドボールの第42回全国高校選抜大会九州地区予選最終日は10日、熊本県山鹿市総合体育館で男女の決勝と男子の第5、6代表決定戦などが行われ、男子決勝に進んだ瓊浦は興南(沖縄)に23-35で敗れたが、2年連続で準優勝を果たした。興南は5年ぶり8度目の優勝。女子は明光学園(福岡)が3年ぶり2度目の頂点に立った。
瓊浦は前半、先行する興南をサイド攻撃やポスト松村の速攻、フローター棚町らのシュートなどで猛追。終盤まで競り合いながら、10-16で折り返した。後半は総合力の高い興南ペース。瓊浦も最後まで諦めずに粘ったが、差を詰められなかった。
長崎県勢はこのほか、男子の長崎日大が第5、6代表決定戦で大分に14-22、女子の清峰が第7代表決定戦で千原台(熊本)に17-23で敗れ、男子6、女子7枠の全国選抜大会(3月24~29日・埼玉、千葉)出場権を獲得できなかった。
この結果、長崎県勢は男子2位の瓊浦と女子3位の佐世保西が全国選抜大会に出場する。
■「全国上位レベル」体感
2年連続準優勝という好成績を残しながら、決勝を終えた瓊浦の選手たちに笑顔はなかった。関係者が「全国上位レベル」と評する興南(沖縄)に23-35の完敗。主将のフローター棚町は「力の差を見せられた。優勝するつもりだったのに…」と大きく肩を落とした。
対策をしっかり立てて臨んだ決勝。前半は狙い通りに、相手エースを抑えるディフェンスからリズムをつかんだ。激しい主導権争いの中で痛かったのは、終盤に続いたミス。これが失点につながり、6点ビハインドで後半に入った。そこからは相手の得意な走る展開に持ち込まれて体力を消耗。スピードとパワーに徐々に引き離された。
現状を思い知らされる結果だったが、収穫もあった。前半は挑戦する気持ちを前面に出して競り合え、全国上位レベルを肌で知ることができた。あとは前半で見せた“いい時間”をいかに長く保ち、目指す高みへ近づけるか。末岡監督は「足りないのは気持ちのスタミナ」と選手たちのさらなる奮起を促した。
次の舞台は約1カ月半後の全国選抜大会。現状の差を埋めるための時間は残されている。試合後、棚町が「また一からやり直して、全員で意識を高めていく」、副主将のポスト松村も「2年生がしっかり引っ張らないと」と誓ったように、選手たちもやるべきことは分かっている。この悔しさは必ず、成長の糧にする。