ロッテ石垣島キャンプ恒例のファン交流 日本と台湾の両ファンが熱い応援

ロッテ・井口監督【写真:佐藤直子】

日本、台湾から交流戦観戦にツアー客が来島

 2月9、10日に沖縄県石垣市で行われた台湾プロ野球(CPBL)Lamigoモンキーズとの「アジアゲートウェイ交流戦Power Series2019 in 石垣島」には、2日併せて7500人の観客が詰めかけた。石垣市の2月の観光客は平均9万人前後なので、この1割弱が試合観戦に訪れた計算になる。

 春季キャンプの開催時期に合わせて千葉ロッテマリーンズはオフィシャルツアーを実施している。ツアーは第1クール、第2クールともに3種類ずつ用意され、それぞれ通常は立ち入ることができないエリア(第1、2球場、ブルペン、室内練習場)での見学や、選手のウォーミングアップの見学、選手との撮影会やサイン会などの特典が組み込まれている。またキャンプで実際に使用したボールも1個付くなど至れり尽くせり。その中でも人気があるのが、Lamigoとの交流戦を含む日程だ。

 練習試合当日の朝、サブグラウンドを歩くツアーの一団は、やや年配の人が多い。キャンプオリジナルのキャップを被ってカメラを手にし、にぎやかに話しながら見学。参加者の1人は「金曜日に千葉から来たんだよ。キャンプって広いし、どこで何をやっているか素人には分からない。こうして案内してもらうと見どころが分かっていいよ。石垣島は暑くってびっくりしたけどね」と話す。

 ツアーには試合観戦チケットも含まれ、バックネット裏に特別席が設けられている。入り口で並ばずに客席に座ることができるのも魅力のようだ。

盛り上がるチアパフォーマーの競演

 日本のツアー客とは別に、台湾からのツアー客も来ていた。

 ロッテとは石垣島で4年連続4度目の交流戦に臨んだLamigoの本拠地は、台湾の空の玄関口である桃園国際空港がある桃園市。Lamigoファンはツアーを組み、飛行機で駆けつけている。今年は78人がツアーに参加するなど「亞洲門戸交流戰(アジアゲートウェイ交流戦)」は台湾でも人気だ。

 ツアー客のお目当ては、もちろんLamigoの選手だが、同時に公式チア「ラミガールズ」の熱心なファンも多い。
CPBLでは、チアガールはスタンド最前列の特設ステージで試合中も応援を繰り広げる。チアガールのほかに男性チアリーダーもいる。台湾の野球専門誌では、選手だけでなくチアガールやチアリーダーの「今年の抱負」なども紹介されるほど。チアは球団と一体化しており、チアガール、チアリーダーへの関心度は日本以上に高い。

 球場前のステージでは、毎年「ラミガールズ」とロッテの公式チアパフォーマー「M☆Splash!!」のタイアップイベントが行われているが、日本と台湾の両ファンが熱心にカメラを向けていた。また試合が始まると、一塁側ではCPBLの公式戦さながらの応援がスタート。「アッタラアター!(安打、安打)」というおなじみのかけ声が球場にこだました。

 最近、台湾から来るファンの中には、ロッテのユニフォームを着ている人も多い。毎年のように石垣島に来るうちに「Lamigoとロッテ、両方のファンになった」という人もいるようだ。

 ロッテは昨年11月に台湾を訪れ、台湾・桃園国際棒球場でLamigoと交流戦を行った。また3月14、15日には本拠地・ZOZOマリンスタジアムでもLamigoと交流戦を行う。

 両チームの監督、コーチ、選手はすでに顔なじみだ。交流戦を通じて、ファンの交流も深まっていくに違いない。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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