被災地の今、台湾に伝える 留学中の日本人学生、宮城訪問 復興状況を確認

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宮城学院女子大生と被災地の現状を語り合う台湾の日本人留学生(右)=1月23日、仙台市青葉区の同大

 台湾の日本人留学生ら3人が1月下旬、仙台市や宮城県南三陸町など東日本大震災の被災地を訪れ、同世代の大学生たちと交流を深めた。震災時の台湾の支援に感謝しようと、留学生が中心となって現地で毎年3月に開くイベント「謝謝(ありがとう)台湾」の実行委員を務める3人。震災から間もなく8年になる被災地の今を確かめ、復興の状況を異国の地に伝える。

 訪れたのは国立台湾大3年の伊藤汐理さん(22)=東京都出身=ら女子学生3人。22~26日の5日間、宮城、福島両県に滞在し、津波被害を受けた仙台空港、仙台市若林区の震災遺構「荒浜小」、郡山市の農業関連施設などを巡った。

 台湾紅十字組織が建設費を援助し、被災した公立志津川病院の後継として建てられた南三陸病院(南三陸町)も視察。震災直後の台湾の支援などに関し、町職員から説明を受けた。

 23日は青葉区の宮城学院女子大を訪問し、2、3年生33人と意見交換した。伊藤さんは東京電力福島第1原発事故を理由に台湾で日本産食材の輸入規制が続く現状に触れ、「食品に対する懸念が消えないことは残念」と吐露した。ゼミ生の同大3年田中渚さん(21)は「被災地にいる私たちが積極的に復興状況を発信すべきだ」と語った。

 伊藤さんら3人は今回の被災地訪問の様子をパネルにまとめ、台湾北部の観光地・淡水で3月10日に開く8回目の「謝謝台湾」の会場で展示するという。

 伊藤さんは「台湾人の震災に関する記憶は薄れつつある。日本人留学生として風化を食い止め、東北の魅力を伝えていく役割を果たせるといい」と語った。