河北抄(2/12):どういう風の吹き回しか、北朝鮮の朝鮮赤十…

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 どういう風の吹き回しか、北朝鮮の朝鮮赤十字会が先日、日本に謝意を示した。日本海で遭難した船員らの帰国を取り計らってくれた人道的配慮への返礼という。国営メディアが異例の報道である。

 今冬も東北などの日本海沿岸では北朝鮮からの木造船の漂着が相次ぐ。1月には生存者2人を乗せた船が青森県深浦町の沖で見つかり、海上保安庁が保護した。出漁後、エンジン故障で漂流したらしく、外交ルートを通じて送還手続きを取った。いつもながら、はた迷惑な話だ。

 悪質な操業や工作船の可能性は低かったのだろう。法に則した適切な対応が特別なことに映る国である。北朝鮮に謝意の気持ちがあるのなら、拉致被害者家族の心情を少しでも察してほしいもの。

 海を隔てたもう一つの隣国・韓国は、「日本海(Japan Sea)」の国際名称を、「東海」との併記にするよう長年訴えている。国際機関の要請を受けいよいよ協議に入る方向のようだ。

 両国となかなか歩み寄れない難題が絶えない。先の見えない航海はどこまで続くのか。荒波が収まる日を待ちたい。