富士山より高い山が台湾にあった!東アジア最高峰「玉山」の魅力を紹介 国内の3000メートル級の山に登り、富士山にも登ったら、次は海外トレッキングをしてみたい…という方も多いのではないでしょうか。実は台湾に「玉山(ぎょくざん、ユイシャン)」という富士山より高い山があるのです。登山道も整備され登りやすいため、外国人のハイカーからも人気の山です。玉山の魅力と、ベストシーズン、登山の注意点などを紹介します。初めての海外トレッキングにもおすすめの山ですよ。

日本アルプスや富士山に登った人におすすめの山が台湾にある!

日本最高峰である富士山や3,000m級の国内の山々を制覇した皆さん、次はどこの頂を目指そうか悩んでいませんか?そんな貴方に提案です!思い切って海外の山にチャレンジしてみてはいかがでしょう。実は台湾に玉山(ぎょくざん)というおすすめの山があるんです。

それは標高3952メートル、東アジアで一番高い山「玉山」

(玉山)

3,000m級の山がなんと200座以上もある台湾の中で、玉山は最高峰を誇る山。標高は3,952mと富士山よりも高く、台湾のほぼ中央に位置しています。周辺は「台湾自然生態保護区」となっており「玉山国家公園」にも指定されています。冬に雪が積もった姿が「玉」のように輝くことから玉山と命名。

日本統治時代には、富士山よりも高い山であることから「新高山」と呼ばれ、日米開戦の際に使われた暗号文「ニイタカヤマノボレ」はあまりにも有名です。

絶対に登りたくなる!玉山の魅力5選

(玉山主峰の標識)

山頂から望む綺麗なご来光や豊富な高山植物が見られること、海外の山の中では比較的手軽にトライ出来ることも玉山の人気の理由です。名峰玉山の魅力的なポイントをいくつかご紹介します!

死ぬまでに一度は見てみたい…雲海に浮かぶ美しすぎるご来光!

(玉山山頂からのご来光)

玉山の魅力を語る上で外せないのが、山頂から望む神々しいご来光です。4,000m近い標高から眺めるご来光の美しさは、まさに絶景!ご来光を頂上から拝むためには、富士山の時と同様に山中で1泊します。早朝3時ごろに山小屋「排雲山荘」をスタートして、山頂を目指すのが一般的なプラン。

標高も高いので、防寒対策とヘッドライトは忘れずに。雲海に浮かぶご来光と、朝日に照らされるやまなみの絶景を思う存分堪能しましょう。

お花のシーズンは高山植物が咲き乱れる!

(シャクナゲ)

玉山の一般登山適期は、着雪の時期を除く3月下旬〜11月下旬ごろ。ちなみに1月は閉山期になっています。3月〜5月には山中で美しい高山植物が咲き誇り、「玉山ツツジ」や「ニイタカシャクナゲ」などが楽しめます。6月〜9月は気温も高めで、台風の到来や熱中症にも注意。

10月〜11月は晴天率が高くベストなシーズンですが、朝晩と日中の気温差に気をつけましょう。特におすすめの時期は、登山道のお花が素晴らしい春と、気候の安定する秋の山行です。

登れるのは一日116人まで!入山規制で混雑知らず

(排雲山荘)

入山規制をしている玉山では、1日に登ることができる人数が決まっています。入山人数は、排雲山荘の宿泊上限人数である116人までとなり、特に人気のシーズンには早めの予約が必要です。定員を超えることは無いので、最盛期の日本の山小屋の様な詰め込みはありません。

山荘は2013年に建て替えられたばかりで、清潔感があり登山ライフを快適に過ごすことができます。登山道も富士山や百名山で経験するような渋滞も無く、自分のペースで登れるため快適でしょう。

整備されて歩きやすい登山道

(整備された登山道)

玉山の山頂に続く登山道は、全体的にキレイに整備されており、歩きやすいのも人気のポイントです。危険な箇所には木の階段や鎖が取り付けられ、安全に山行を楽しむことができます。また登山道には、所どころにバイオトイレが設置されているのも安心。

入山規制されている玉山は、すれ違いも少なく歩きやすいですが岩場などは慎重に。豊かな大自然の中で静かな山行が楽しめるのも、玉山の魅力の1つです。

最短3泊4日で行ける!海外トレッキング入門にもぴったり

(台湾屋台)

アメリカやヨーロッパなどの海外トレッキングに比べ、格段に短い日程でアクセスしやすい台湾の玉山。現地に着いてまず1泊し、登山初日に山小屋で1泊。登頂して下山後に1泊する場合、最短3泊4日でトライすることが可能です。もっと弾丸にすることもできますが、あまりおすすめはしません。

また、台湾といえば、グルメでも大変人気な国。山行の前後には、台北などで様々な台湾料理を満喫するのも海外トレッキングならではの楽しみですね。

どうやったら登山できる?気になる入山許可の取り方と登山の注意点!

(玉山登山口)

日本では、登山口等で登山届を提出すれば山に登ることができますが、海外の場合は事前に入山許可などが必要になってきます。入山許可の取り方と登山時の注意点について記述しますので、登山計画の際に参考にしてください。

自分で入山許可を取る場合の手順

(海外渡航イメージ)

<日本で事前に行う手続>
まずは「玉山国家公園の専用サイト」から以下の手続きを行ないましょう。
1、排雲山荘の抽選申請(登山予定日の2ヶ月前から申し込み可能/ただし、日〜木曜日は24名分の外国人優先枠があり、4ヶ月前より先着順で申請を受付)
2、排雲山荘の料金支払い(指定口座に海外送金または現地にて支払い)入金確認後に玉山国家公園入園許可書が発行
3、入山許可に必要な書類の作成及び印刷(入山申請書、パスポートのコピー、台湾国内での緊急連絡先など)
<現地の登山基地で行う手続>
1、塔塔加登山センター「俳雲登山服務中心」で排雲山荘の宿泊料支払い(現地支払いにした場合)
2、宿泊料金支払い後、入園許可書を取得(パスポートの要提示)
3、塔塔加登山センターの隣にある交番「国家公園玉山警察隊塔塔加小隊」にて入山許可書の発行(入園許可書、パスポート要提示)

中国語に自信がなければ、旅行代理店におねがいするのもあり!

(海外旅行イメージ)

入山許可や書類作成、現地でのアクセスを個人でするには結構労力がかかります。不安な場合は、日本の代理店または現地代理店に依頼する方法も。まず日本の代理店は、言葉の心配も無くバスツアーなので荷物の運搬も安心。しかし、4泊5日で20〜30万円と費用が高額なことや、早めの申し込みが必須です。

逆に現地代理店は費用が格段に安く、ガイドの経験が豊富な点が安心です。ただ、英語や中国語を話せないと厳しいことや荷物の運搬を自分でしなくてはなりません。よく考慮し、ご自分の都合に合わせて代理店を選びましょう。
西遊旅行

アルパインツアー

ここが日本の登山とは違う!玉山登山で注意するべきポイント

(富士山の山小屋と登山道)

玉山の登山中に注意すべき点をいくつかお伝えします。まず、排雲山荘には売店がありませんので、行動中の水や行動食、カップ麺など必要なものは全て持参しての山行になります(山荘には煮沸した飲料水はあります)。布団は無いため、寝袋を持参するか有料で借りることになります。また、富士山よりも標高が高いので、防寒着を忘れずに。

高山病になる危険性もあるため、出来るだけ体調に気をつけましょう。全体的に整備された登りやすい山ですが、高山であり海外の山です。事前の装備を万全に整えて臨むようにしましょう。

台湾の玉山で海外トレッキングに初挑戦!

(玉山登山道)

日本を飛び出して、初の海外トレッキングにチャレンジするにはもってこいの玉山。混雑もない整備された登山道を登って、最高のご来光を拝みに行きませんか?海外ならではの4,000m近い景色から望む壮大な絶景は、きっと一生の思い出になることでしょう。

日本からのアクセスも良く、登山と一緒に観光やグルメが楽しめるのも魅力的。海外の山に興味がある方はぜひトライしてみてはいかがでしょう。

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