セビリアの聖母など30点 南島原市セミナリヨ現代版画展関連展

 第18回南島原市セミナリヨ現代版画展の関連企画展「市版画400年史 『聖家族』『セビリアの聖母』から渡辺千尋 そしてセミナリヨ現代版画展」が、廃校活用の芸術交流施設「アートビレッジ・シラキノ」(南島原市南有馬町)で開かれている。入場無料。3月3日まで(月曜休館)。

 同版画展は南島原市などでつくる実行委主催、長崎新聞社など後援。企画展は、同施設が昨年9月に開館したのを記念して初めて開いた。

 銅版画「セビリアの聖母」と「聖家族」(ともに県指定有形文化財、カトリック長崎大司教区所蔵)は16世紀、同市有家町に当時あったキリスト教の神学校「セミナリオ」で日本人生徒が制作したとされる。旧南高有家町は、長崎市ゆかりの版画家、故渡辺千尋氏に依頼し、セミナリオ開設400年記念事業として「セビリアの聖母」を1996年に復刻。歴史を町おこしに生かそうと、同版画展を2002年に始めた。

 会場では、過去の同版画展の大賞作や復刻版「セビリアの聖母」など約30点を展示。諫早市の自営業、門畑和也さん(55)は「南島原にこんなすごい歴史があるとは知らなかった。過去の大賞も大胆さや緻密さのある作品ばかりで感動した」と話した。

 南島原市は「節目の第20回に向け、過去の大賞や版画の歴史を改めて振り返ってもらえれば」としている。今回の版画展の大賞などを2月12日に南島原市ホームページ(HP)で発表。展覧会を23日~3月3日に有家町のありえコレジヨホールで開く。

復刻版「セビリアの聖母」(左)などが並ぶ会場=南島原市、アートビレッジ・シラキノ

© 株式会社長崎新聞社