がん患者の就労理解を 横浜市が事業所向け冊子・DVD作成

 がん患者の就労への理解を深めてもらおうと、横浜市は市内事業所を対象にした「がんの治療と仕事の両立支援ハンドブック」とDVDを作成した。社内研修などで活用し、がんになっても働きやすい職場づくりの促進を図る。

 ハンドブック(B5判、40ページ)は、事業所と患者双方の視点に立った一問一答や両立支援プランなど関係書式の記載例を掲載。約30分のDVDでは、ドラマ形式で具体的な事例を紹介し、患者本人の気持ちの変化や、治療の際に確認すべき点や事業所でできる工夫などを分かりやすく解説している。

 市が市内事業所やがん患者、家族を対象に2016年に実施したがんの治療と就労に関するアンケートによると、法人で就労している人のうち、がん診断後に退職した人は20.2%に上った。また、過去3年間のうち、がんと診断された従業員がいた事業所は43.0%で、仕事と治療の両立が実現できる職場づくりが必要と感じている事業所は88.3%だった。

 市医療局は「1年間にがんと診断された人の約3割は働く世代。がんを治療しながらの就労の継続は大きな課題で、ハンドブックとDVDを通じ普及啓発していく」としている。

がんの治療と仕事の両立支援ハンドブック

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