「住まい確保」6割止まり 熊本市の震災復旧状況、宅地工事にも遅れ

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記者会見で「被災者に対するきめ細やかなサポートを続ける」と話す大西一史市長=熊本市役所

 熊本市は12日、2019年度一般会計当初予算案の発表に合わせ、熊本地震からの復旧・復興状況を公表した。18年末現在、仮設住宅などで仮住まいを続けているのは4978世帯。恒久的な住まいに移った被災者は約6割にとどまっている。

 仮住まいをしている被災者は、17年5月がピークで1万1988世帯だった。住まい再建は徐々に進むが、昨年1年間で住まいを確保できたのは5083世帯。市復興総室は「今も仮設などで暮らす4978世帯のうち、約7割が住まい確保のめどが立った」としており、残る世帯の支援に力を入れる。

 県の復興基金を利用した支援策で、住宅の傾きを直したり、擁壁の修理したりする宅地復旧工事は相談件数などから3150件を見込むが、実際の申請は1869件。工事の完了は1602件だった。市震災宅地対策課は「業者を確保できず申請手続きに進めない被災者もいる」と指摘する。

 一方、公共施設の復旧状況では公園や庁舎関連はすべて完了。道路・橋りょう、河川なども9割以上が終了している。

 大西一史市長は「ことし3月末までに全被災者に住まい確保のめどをつける」と明言してきた。12日の記者会見では「今も多くの被災者が仮住まいを続けているのは申し訳ない。住まいの情報提供や福祉の専門家による支援など、きめ細かなサポートを続ける」と強調した。(高橋俊啓、酒森希)