「島で働く」を選択肢に 五島市職員が翁頭中で授業

 長崎県五島市堤町の市立翁頭中(出口貞史校長、60人)で12日、全校生徒を対象に、市内で働く魅力について考えてもらう授業があった。講師となった五島市商工雇用政策課の職員は、市内で新たな事業所や雇用が生まれていることを紹介し、「進学や就職など人生の選択の中で、五島で働くことも考えてほしい」と呼び掛けた。

 五島市によると、市内の高校を卒業した生徒の約9割は進学や就職で市外に転出。高校生向けの企業説明会などはこれまでもあったが、より早い段階で地元の産業や企業について理解を深めてもらおうと、市が初めて企画した。今後も市内の中学校で授業を開く考え。

 授業では五島市職員が、市内には求職者1人に対して2件近い求人があり、「好きな仕事を選べる状況」と説明。再生可能エネルギー産業や観光業などで新たな事業所や雇用が生まれていることも紹介し、「五島でもできる仕事や、五島だからこそできる仕事がある」と魅力を語った。

 授業を受けた3年の小島大空(たく)さん(15)は「市内にたくさんの仕事があると初めて知った。自分で起業することも考えてみたい」と話した。

五島で働く魅力や、将来の夢について語り合う生徒たち=五島市立翁頭中

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