加曽利貝塚グランドデザイン公表 唯一無二の縄文施設へ 博物館移転、24年度開館目標

©株式会社千葉日報社

特別史跡加曽利貝塚グランドデザインの完成イメージ(千葉市教委提供)

 国の特別史跡「加曽利貝塚」(若葉区)で、千葉市は12日、将来像と魅力向上への取り組みをまとめた再整備構想「グランドデザイン」を公表した。現在は史跡内にある博物館を史跡外に移転させるほか、体験学習スペースの確保などで縄文気分を満喫できる“唯一無二の観光エリア”を掲げた。年間利用者の目標は約55万人。

 加曽利貝塚は日本最大級の規模を誇る貝塚で、2017年10月に国宝に相当する特別史跡に指定された。1966年11月開館の博物館(2階建て)は老朽化が進んでいる上、文化庁から史跡の指定地外への移転を指導されていた。

 グランドデザインは2026年度までの構想で、目指すべき将来像に特別史跡、公園・緑地、博物館の三つの役割を設定。史跡指定地(15.1ヘクタール)と周辺の計32.6ヘクタールについて「遺構保存」や「公開活用」「縄文の森」など七つのゾーンに分けて整備を進めるとした。

 博物館の移転先となる「新博物館」ゾーンは、小倉浄化センター跡地と周辺の民有地を活用。現在の位置から川を挟んで北東に約300メートル離れた場所に誕生する新しい博物館は展示室や体験工房に加えてレストランなども備える。市教委文化財課は「イノシシなどのジビエや貝などの縄文グルメを味わえる場所にしたい」と述べた。史跡内とは200メートル程度のつり橋で結ぶ予定だ。新しい博物館は24年度の開館を見込み、年間入館者約15万人が目標。

 「遺構保存」は貝層の展示や休憩施設などで学習・体験の主体となるゾーン。「公開活用」は体験学習スペースや竪穴住居・大型建物跡の復元などを行い、「縄文の森」はアウトドア施設の整備などを予定している。

 同課は19年度の一般会計当初予算案に6千万円を計上。新しい博物館の規模や運営体制などの整備方針を定める基本計画の策定、野外観覧施設のバリアフリー化に向けた実施設計などを行う。

 熊谷俊人市長は「本物に触れながら、多くの人が楽しめ憩える空間を目指す。縄文や貝塚の魅力を国内外に発信していきたい」と展望を述べた。