<社説>県民投票きょう告示 高投票率で民意示したい

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 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古での埋め立ての賛否を問う県民投票が14日、告示される。県をはじめ各団体がさまざまなキャンペーンを展開し、期日前投票も15日から始まる。熟考して1票を投じ、明確に民意を示したい。 県民投票に法的拘束力がないことを強調してその意義を軽んじる意見もある。しかし、個別の課題で民意を直接示すことの重要性は、いくら強調してもし過ぎることはない。

 昨年9月の県知事選をはじめとして選挙で新基地反対の民意が何度も明らかになってきた。にもかかわらず、安倍政権は選挙結果を無視して工事を強行してきた。

 また、この間の県内選挙で、政権の支援を受けた候補は新基地への賛否を明確にせず、公開の討論会も避けるなどして、争点隠しを徹底した。マスメディアが「新基地の是非が事実上の争点」と報じても、選挙戦の中では議論として盛り上がらず、有権者の判断材料は乏しかった。このような争点隠しと選挙結果無視の中で、今回の県民投票が必要とされたのである。

 論点は単純ではない。辺野古の自然環境の保護か、普天間飛行場の危険性の除去かという二者択一ではない。

 大浦湾の軟弱地盤のために、工期の長期化、費用の増大は避けられない。技術的に可能なのかどうかさえ専門家から疑問符が付けられた。普天間は本当に返還されるのか、それはいつなのか、政府は説明を拒んでいる。

 それ以前に、普天間飛行場を拠点とする米海兵隊は必要なのか。沖縄にいる必要があるのか。本当に抑止力になっているのか。そもそも抑止力とは何か。こうした根本的な問題も議論されるべきだ。

 今回、県政野党である自民党県連と中立の公明党県本部は自主投票を決定した。賛否いずれの立場にも立てないとしても、沖縄の未来に関わる議論を傍観すべきではない。

 当初、県議会の賛成多数で決定した条例は「賛成」「反対」の2択だった。しかし、実施のための予算が5市で否決され、有権者の31%が投票権を行使できなくなる事態となった。結局、与野党が折り合う形で「どちらでもない」を加えた3択で全県実施が実現した。

 このような経緯を踏まえれば、自民党も公明党も積極的に議論に参加すべきだ。2択を批判した際の「普天間の危険性除去が置き去りにされる」とか「賛成・反対だけでは乱暴」といった論点も、改めて議論すべきである。

 沖縄の戦後史は人権と民主主義、自己決定権を求めてきた歴史である。今回の県民投票が実現した経緯、全県実施を巡る曲折も、民主主義実現の実践だった。その成否は投票率の高さで示される。結果は世界から注目されている。力強く県民の意思を示すため、投票率を高める努力が必要だ。