レーシング・ポイントF1、資金難も解消され今年は“変化と進化”の年に「目標はランキング4位」

 2月13日(水)に2019年の体制発表を行ったレーシング・ポイントF1。今年はタイトルスポンサーにスポーツペサを迎え、チーム名は『スポーツペサ・レーシング・ポイントF1チーム』となったことが明らかになった。

 オンラインのスポーツブックメーカーであるスポーツペサがスポンサーに加わったものの、BWTも主要スポンサーとしてチームに残るため、同社にちなんだピンクのカラーリングは変わらない。

「レーシング・ポイントは2018年のベルギーGPから導入したチーム名だが、この名称を継続することが適当だと考えた」とチーム代表のオットマー・サフナウアーは語った。

「我々はひとつの目標を持つチームであり、この名称はそうした価値を形にしている」

「また主要スポンサーのBWTとともに、スポーツペサをタイトルスポンサーとして迎え入れた。そのため印象的なピンクのカラーリングと、強い独自性を継続できる。それゆえ、我々はスポーツペサ・レーシング・ポイントF1チームとなったのだ」

 これまでのオフシーズンでは、チームは存続と拡大のために資金を探し求めていた。しかし今年は、新オーナーとスポンサーから十分な投資を受けることができている。

「舞台裏では多くのことが動いている」

「私が覚えている限りでは、一番忙しい冬となっている。新マシンを完成させるだけでなく、我々は将来についても計画を立てている」

「これまで資金が不足していた施設と機材を改善しようとしている。増え続けているスタッフを収容するためにも、現在のファクトリーを拡張している。同時に、新たな施設の建設を計画中だ。この施設も(ファクトリーのある)シルバーストンに建てられることになる」

「これは簡単な仕事ではない。目標の実現に向けて、多くのエネルギーとリソースが必要とされる。しかし我々は、中心となるスタッフはマシンのパフォーマンスに重点を置くべきであるということをよく認識している。これは当然のことだ」

 またサフナウアーによれば、長期的な目標は、このチームをF1のトップに押し上げることだという。

「短中期的には、我々はトップの3チームに戦いを仕掛け、表彰台を争うポジションを確立する必要がある」

「これは一夜にして実現できることではないが、新オーナーは、我々がそのレベルに到達するための作業について現実的に考えている。我々はこうした野心的な目標を達成するために、必要なものを適切に配置している」

「そして2019年に良い一歩を踏み出すことが重要だ。我々は今年、実力で表彰台を争いたいし、チャンピオンシップを4位でフィニッシュすることを目標にしている」

■拡張する施設よりも、“人”を重視した新オーナー

 シルバーストン・サーキットから道路を隔てて反対側に拠点を置くレーシング・ポイントは、新たなファクトリーの建設も計画している。新ファクトリーは2021年に竣工予定だ。だが最も重視されるのは、もう何年もの間チームのために働いているスタッフだろう。

「株主がチームを買収した時、彼らは建物よりも人に投資をすると強調した」

「彼らは、チームのために働いているスタッフが、我々の持つ最大の財産の象徴だということを理解していた。それに移行期間中でさえ、我々のもとを去ったスタッフがわずか数人だったというのは喜ばしいことだ」

「スタッフの忠誠心は、どれだけの人々がこのチームを信じているかを示している。彼らは全員このエキサイティングな新しい旅に参加したいのだ」

「限られた予算のなかで運営されていた2016年と2017年に、フォース・インディアがコンストラクターズランキングで4位を獲得したのは、彼らのおかげでもある。彼らはチームの価値観を共有している」

「豊富なリソースが手に入ることになり、当然のことながら変化と進化が生まれるだろう。だがこの文化と効率性を可能な限り保つことが重要だ」

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