福井県知事選、保守分裂で踏み絵

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今春の福井県知事選への出馬を表明している前副知事の杉本達治氏(右)と、現職の西川一誠氏(左)

 春の福井県知事選に向け、現職の西川一誠氏(74)と前副知事の杉本達治氏(56)が近く、告示前の決起大会で前哨戦を繰り広げる。2月15日開催の西川氏側が二階俊博自民党幹事長の激励ビデオメッセージを紹介する予定なのに対し、17日に開く杉本氏側は森喜朗元首相の登壇を調整している。いずれも会場は福井市のフェニックス・プラザ。保守分裂選挙の様相の中、来場する関係者の顔ぶれに関心が集まる。もう一つの注目は、17日に行われる両氏の後援会事務所開き。同時刻に始まるため、両にらみの関係者には頭の痛い「踏み絵」になりそうだ。

 知事選を巡っては、党本部は12日時点で推薦問題の結論を出していない。その鍵を握る重鎮の二階氏、そしてキングメーカーの一人とされる森氏の名前がそれぞれの決起大会で影の主役として取り上げられ、保守分裂選挙を象徴する事態となっている。

 西川氏の決起大会は15日午後6時半~8時、後援会連合会が県政報告会として開催する。関係者によると、二階氏の激励ビデオメッセージを紹介する予定で、既に二階氏本人の了解を得ているという。

 後援会幹部は「二階先生には1期目から応援していただき、今回も頑張れと激励をいただいている。そのことを皆さんに改めてお伝えしたい」と話す。このほか「みんなで描くふるさと福井の未来」と題した西川氏と県内の若者らのパネル討論などがある。

 一方、杉本氏の決起大会は17日午後2時から2時間程度を予定している。支援者でつくる実行委員会が主催する。

 共催の党県連と協力し弁士として森氏の来場を調整しているほか、元総務相の高市早苗衆院議員の登壇を予定している。後援会幹部は「杉本氏の知名度浸透のため、これまで県内各地で開いてきたシンポジウムの集大成の位置付けになる」としている。

 このほか、杉本氏と有識者の対談で政策への理解を深めてもらうコーナーもある。

 両氏の決起大会は開催日が異なるため、どちらにも顔を出す関係者が多数いるとみられる。両にらみの関係者が頭を悩ませるのは、17日午前10時から同時に行われる両氏の後援会事務所開きだ。

 ある団体幹部は「あまり良くないことなのかもしれないが、時間差で出席しようかなと思っている。両氏への義理立てにもなるし、どちらの雰囲気も見ておきたいし…」と迷う気持ちを正直に語る。

 別の団体関係者は「お二人にはとてもお世話になったので複雑な心境だ」とした上で「遅れて出席すれば『あっちの方に先に行ったのでは』と思われる。どちらにも行かなければ誤解を招かずに済む。今回はそうするかもしれんな」。自分を納得させるように苦しい胸の内を明かした。