「オタク」市場に関する調査を実施(2018年)

「オタク」の主要分野のうち、アニメ市場とアイドル市場は今後も拡大傾向

©矢野経済研究所

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、2017年度の国内の「オタク」市場を調査し、主要分野における各分野別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

1.市場概況

本調査における「オタク」市場は分野により好不調はあるものの、アニメ市場とアイドル市場は好調に推移している。2017年度のアニメ市場規模はアニメーション制作事業者売上高ベースで、前年度比7.2%増の2,680億円と推計した。テレビアニメ、劇場アニメともにヒットに恵まれ、国内外における映像配信事業も好調に推移し、拡大傾向にある。また、2017年度のアイドル市場規模はユーザー消費金額ベースで、前年度比15.0%増の2,150億円と推計した。「ジャニーズ」「AKB48」グループを中心に引き続き中核となるファン層が市場を支えるとともに、他のアイドルグループの台頭も継続しており拡大傾向にある。

「オタク」主要分野別市場規模推移

2.注目トピック~躍進するインド市場

2018年7~9月に公開された主な劇場版アニメを矢野経済研究所独自の解析手法(Xビジネスエンジン)を用いて分析(調査期間は2018年7~9月の3ヶ月間)した。
本分析結果から、検索と口コミの総量である「熱量」(ユーザー反響数)では、「未来のミライ」が最大となった。しかし、「温度」(情報の拡散度合いを指数化)のスコアは、他の作品と比べて高いとは言えず、情報拡散度はあまり大きくないことが示された。また、「魅力度」(ユーザー反響数とメディア露出数から、ユーザーがメディアに左右されず、いかに自主的に反響したかを指数化)も平均をやや上回る程度であった。
そのほか、「劇場版ポケットモンスター みんなの物語」「君の膵臓をたべたい」の熱量も大きい結果となったが、温度はともに「未来のミライ」と同様に平均以下となり、情報拡散度が低い作品であることがわかった。一方、魅力度は「君の膵臓をたべたい」が平均以上、「劇場版ポケットモンスター みんなの物語」が平均以下という相反する結果となり、「君の膵臓をたべたい」の方が個々のユーザーの自発的な反響度が高い結果となった。
また、「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄~」「曇天に笑う〈外伝〉 ~桜華、天望の架橋~」の2作品は、熱量は小さいものの、温度、魅力度ともに高スコアを示し、本分析結果では「理想ZONE」に位置している。

独自の解析手法「Xビジネスエンジン」による劇場版主要アニメ比較

3.将来展望

「オタク」の主要分野のうち、アニメ市場とアイドル市場は今後も拡大傾向にあるものとみる。
2018年度のアニメ市場規模はアニメーション制作事業者売上高ベースで、前年度比4.5%増の2,800億円を予測する。アニメ主要制作事業者の業績や新規事業者の参入などから、引き続き拡大傾向にあるものと考える。
2018年度のアイドル市場規模は、ユーザー消費金額ベースで、前年度比11.6%増の2,400億円に拡大すると予測する。アイドル市場は引き続き、「ジャニーズ」「AKB48」グループのファン活動が市場を下支えすることから、拡大傾向で推移するとみる。