国内は災害、海外は法令順守違反が課題

トーマツ企業リスク調査、アジアでも人材不足

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奥村氏は今回の調査結果を個別企業にも生かす方針を述べた

トーマツは14日、「企業のリスクマネジメントおよびクライシスマネジメント」と「アジア進出日系企業におけるリスクマネジメントおよび不正の実態調査」のそれぞれ2018年版を発表した。日本企業にとって優先して着手が必要な課題は国内では自然災害、海外拠点では法令順守違反という結果となった。

「企業のリスクマネジメントおよびクライシスマネジメント」は日本に本社を構える上場企業430社が回答。日本国内における優先して必要な着手が必要な課題は1位が前年に引き続き自然災害で41.9%、2位が人材不足(前年3位)で28.3%、3位が法令順守違反(前年2位)で24.6%だった。海外拠点では1位が法令順守違反(前年2位)で23.6%、2位が子会社に対するガバナンス不全(前年1位)で18.8%、3位が製品・サービスの品質チェック体制の不備(前年同じ)で18.4%だった。

国内では米中間の貿易摩擦や中東情勢の不安定化、人件費の高止まりもあり、原材料並びに原油高の高騰が10.9%で前年の13位から9位に上昇。海外拠点は競争の激化などで、市場における価格競争が12.2%で前年の12位から9位に上昇した。近年は人材不足など危機の幅が広がり、リスク管理部門のみでなく、経営陣の関与が必要な案件が増えているという。

リスクマネジメントプランの拠点ごとの作成状況は、国内本社は前年比1.3ポイント増の61.9%だが、海外子会社は2.0ポイント増の18.1%にとどまっている。

また、アジア進出企業については413社が回答。優先して着手が必要な課題は日本本社の1位が法令順守違反で23.6%(前年2位)、2位が子会社に対するガバナンス不全で18.8%(前年1位)、3位が前年と同じく製品・サービスの品質チェック体制の不備で18.4%。アジア拠点は1位が前年と同じく法令順守違反で34.3%、2位も前年と同じで市場における価格競争が30.7%、3位は人材不足24.0%で、前年の5位からアップ。

過去3年間の不正発覚の有無はありが前年比7.7ポイント減の61.0%。不正の内容は在庫・その他資産横領が4.3ポイント増の37.6%のほか、不正支出が7.3ポイント増の36.9%、賄賂が7.5ポイント増の17.4%と目立つ。

トーマツの奥村裕司パートナーは14日に東京都千代田区の同社で行った記者発表会で、「結果を分析し、個別企業の課題解決に役立てられるようフィードバックしたい」と語った。

■ニュースリリースはこちら
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20190214.html

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介