3LDKの部屋に「4人家族」が上手に住む方法

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部屋数が多くなり、面積が広くなるほどマンションの価格は高くなってしまいます。首都圏でもっとも供給の多い3LDKに4人家族が住む方法を考えてみましょう。

4人家族の場合、マンションで何LDKを選ぶのがベスト?

マンションを選ぶとき、自分の家族にとって適切な広さや間取りについて、いろいろ迷うこともあるのではないでしょうか。

子どもが大きくなったらそれぞれに個室を与えたい、お客様が来たら泊まる部屋も欲しい、自分の書斎もあったらいいな……と、希望や夢を叶えようと思うと、部屋数も多くなり、その分広い専有面積が必要となります。しかし本当にそれだけの広さや間取りが必要でしょうか。

そこで、4人家族がマンション暮らしをする場合、何LDKを選ぶのが最適かを間取りを見ながら解説します。

首都圏のマンションの一戸当たりの平均専有面積は64.22m2。70m2に満たない(出典:不動産経済研究所 首都圏のマンション市場動向 2018年9月※1)

バリエーションが多く選びやすい3LDK

不動産経済研究所が発表したデータ(※1)によると、2018年9月に首都圏で販売されたマンション3372戸のうち2LDKは15.7%、3LDKは66.2%、4LDKは5.1%を占めており、3LDKの供給量がダントツに多いことがわかります。

このように供給量の多い3LDKは、それだけ間取りにバラエティがあり、自分の希望する間取りに出会いやすいといえます。すなわち3LDKは「選びやすい」間取りなのです。

首都圏で4LDKを買おうとすると3LDKより800万円割高に

夫婦と子ども2人の4人家族の場合、もし子どもそれぞれに個室を与え、さらに予備室も欲しいと考えると、4LDKは必要になります。

4LDKの間取りとなると、専有面積は80平方メートル程度は必要です。首都圏のマンションの平方メートル単価が80万円というデータ(※1)から計算すると、3LDK・70平方メートルのマンションを購入するのと4LDK・80平方メートルのマンションを購入するのでは800万円もの差が出ることになります。

先ほども触れたように3LDKの供給がダントツに多いことからも、マンション選びにおいては4LDKよりも3LDKの方が選択肢が多く、かつ費用を抑えることができるということになります。そこで、発想を転換して、4人家族が3LDKの間取りで暮らすイメージを膨らませてみましょう。

間取り例1:子どもの成長に合わせ使い方を工夫

子どもが中学生になる前くらいまでの時期は、親と一緒に寝たり、兄弟姉妹同士で同じ部屋を使ったりするので、必ずしも4人家族で個室が3つ必要とは限りません。

【図1】標準的な3LDKの間取り例。リビングと隣り合った洋室をフレキシブルに使おう

【図1】は外廊下型マンションの3LDKの標準的な間取りです。子どもがまだ小さいときの部屋の使い方として、外廊下に面した洋室(1)は夫婦寝室、洋室(2)は兄弟姉妹の部屋として使用し、洋室(3)は、LDとの境にある引き戸を取り外してリビングダイニングと一体として広々と使っても良いでしょう。

来客時には引き戸を閉めてお客様に泊まっていただくスペースに使うなど、その時の状況によってフレキシブルに使うことができます。

来客用スペースは、2Way家具を活用して対応

【図2】リビングに置く家具の工夫でお客様に対応できるようにする

子どもが成長してそれぞれの個室を欲しがったら、洋室(1)は主寝室、洋室(2)と(3)は子ども部屋として使います。そうすると来客用のスペースがなくなりますが、そこはリビングダイニングに置く家具で対応します。

リビングに置くソファーはベッドにもなるソファーベッドを使用し、ダイニングテーブルは伸縮式のテーブルを使用します。普段は小さいサイズで使用し、お客様が来たときだけ伸ばせば大勢で同じ食卓を囲むことができ、重宝します【図2】。

間取り例2:書斎が欲しい場合は、3LDK+DEN付きがおすすめ

小さくてもいい、1人で物思いにふけられる空間や静かに本を読める空間(=書斎)があったらいいですよね。そのような方は、ぜひ3LDK+DEN(もしくは広めの納戸)の間取りを探してみてください(【図3】参照)。

【図3】DENスペースのある3LDKなら暮らし方が広がる

DENとは「書斎」という意味をもつ小部屋です。寝室にするには狭いけど、書斎や趣味の部屋として使えるような空間です。最近はこのDEN付きの間取りを目にする機会が増えました。狭くても3方を壁に囲まれている空間は、その中にいると意外と落ち着くものです。大きなリビングの一角にパソコンデスクをポンと置くより、ずっと居心地がいいと思います。

個室の数よりも重視すべきは、広さと使い勝手

4人家族で子どもそれぞれに個室を与え、来客用のスペースや趣味の部屋も欲しいと考えると「4LDKの間取りが必要」かもしれません。しかし、見てきたように、子どもが個室を必要とする時期はそれほど長くはないこと、また家具の工夫によって3LDKでも暮らしていけるというイメージができたのではないでしょうか。

特に気を付けたいのは、3LDKでちょうどよい専有面積の住戸なのに、同じ面積で無理やり4LDKにした間取りもあることです。もしそのような間取りを選んだ場合、ひとつひとつの部屋は狭くなり、通風や採光条件などの居住性が劣ってしまう可能性もあります。

ここでご紹介したように、例えばリビングでは団らんだけでなく来客対応もできるなど、ひとつの部屋を多目的に使えるくふうをしておけば、4人家族で3LDKの間取りでも暮らしていくことは十分可能です。限られた専有面積の中から間取り選びをする時は「個室の数」を最優先にするのではなく、個々の部屋の大きさや使い勝手などもきちんとチェックすることが大切です。

(文:井上 恵子(住まいの性能・安全ガイド))