【MLB】菊池雄星、キャンプ初ブルペンで口にした課題 「しばらくのテーマになる」

ブルペン入りしたマリナーズ・菊池雄星【写真:木崎英夫】

キャンプイン後初めてのブルペン入りで変化球を交え37球

 西武からポスティングシステム(入札制度)でマリナーズに移籍した菊池雄星投手が13日(日本時間14日)、キャンプイン後初めてブルペン入りした。持ち球の直球、スライダー、カーブ、チェンジアップを37球。それぞれの軌道に好感触を得ながらも、スライダーを今後の課題に挙げた。

 最後の1球を示す人差し指を立てると、菊池は渾身の力でフレイタス捕手のミットに直球を投げ込んだ。与えられた10分間を37球で締め、キャンプ初ブルペンの率直な感想を言葉にした。

「真っすぐがしっかりと行っていたというのが一番の安心するところかなって思います」

 両隣で投げ込んでいた二人の投手より、明らかに腕を大きく振っていた。体も肩もまだできあがっていない状態だが、菊池は力の入れ具合を「今の全力」と表した。フレイタス捕手はこの直球について「低めと高めの投げ分けが特に気に入った」と絶賛。さらにスライダーとの「コンビネーション」には強い印象を受けたと言う。一方で、菊池はそのスライダーを今後の課題に挙げた。

「スライダーが思うように曲がりきらないのが、アリゾナに来てすごく感じてます。多少、ボールの違いとかもあると思うので、もう少しアジャストする必要があると思います」

日本とメジャーのボールの違い、スライダーは「しばらくのテーマになる」

 直面した「ボールの違い」。一般的に、大リーグの公式球の縫い目は日本のそれと比べて「高い」とされるが、菊池は「低く感じる」と言う。これには、縫い目の幅の違いもあり、日本のボールは縫い目が締まっている分高く感じ、指先(中指)に引っかかる感触を生むのだろう。

「指の位置を工夫してみたり、最後の押し込みを強くしてみたりとか、試行錯誤はしています。真っすぐとスライダーは投球の7割くらいを占めるので、そのスライダーをもう少し自分のものにしていくというのはしばらくのテーマになるかなというふうに思います」

 もう一つ、適応すべきことも実感した。投球の中盤で、菊池は帽子を取り顔の汗をアンダーシャツで拭った。

「10分という中で投げるのは本当に初めて。久しぶりにマウンドで息が上がりましたね(笑)。周りのピッチャーはもうポンポン投げますので、それに乗っけられてというか」

 黒幕を半分の高さまで施したネット裏では、注目の左腕見たさに報道陣に交じり多くのファンが熱視線を注いでいたが「そんなに意識することはなかった」と、菊池は自分の投球に集中した。今後は中2日の間隔で投球に磨きをかけていく。

 次回はイチローら野手組が合流する16日(日本時間17日)に投げる予定だ。(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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