【MLB】大谷翔平の5月復帰に“手のひら返し”記者が新提言今季は打席に立つべきでない」

エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

昨年は開幕前の大谷を過小評価し、活躍後に謝罪したバリー・ブルーム記者

 昨年10月に右肘靭帯再建手術(トミー・ジョン手術)を受けたエンゼルスの大谷翔平投手。今季は指名打者に専念し、ブラッド・オースマス監督は5月復帰を目標と明かしたが、米国の名物コラムニストは打者としての復帰を急ぐことが投手・大谷に対するリスクと主張。5月復帰プランに苦言を呈している。米経済紙「フォーブス」が報じている。

「エンゼルスはショウヘイ・オオタニを打者として復帰させることに慎重過ぎるほど慎重にならなければいけない」

 こんなタイトルで特集したのはバリー・ブルーム記者だった。記事ではトミー・ジョン手術後の投手としてのリハビリのガイドラインは通常12か月から18か月要するとされていることを指摘しながら、「投手として復帰を見込まれるDHに対する概念は存在しない」とし、二刀流選手の肘の手術からの復帰、リハビリという前例のなさを指摘した。

 そして、「右腕投手であり、左打ちの打者であるオオタニはスイングやスライディング、走塁中の衝突で再び故障する可能性がある」とリスクの存在を強調している。

 オースマス監督も打者としての復帰が、投手・大谷の復帰プランに影響を与えることを懸念しているという。

「我々が最大限慎重になるだろうと話している理由だと思う。なぜなら、もしも、2020年に投げられるようになることに対して、DHでプレーすることが影響を与えるかもしれないという事実を我々は望まないからだ」と指揮官は語ったという。

大谷以外にもDH、一塁でプホルス、ボーアとタレントは存在

 そして、この発言を踏まえて、記事では「それでは、オオタニは今季打席に立つべきではない。24歳で彼にはまだまだキャリアが広がっているのだ」と主張している。

 昨季新人王に輝いた大谷だが、右肘の故障と向き合いながらたどり着いた栄光だった。特集では、2017年12月にエンゼルスと契約時から右肘靭帯にグレード1の損傷が確認されるなど昨季の右肘の経過と、チームとともに下した決断を振り返っている。

「ある時点では彼は手術が必要と伝えられた。その代わりに、オオタニは残りシーズンをDHでプレーすることを決断した。またしても、決断が最終的な彼の復帰を遅らせることになるかもしれない」

 今季中の指名打者として復帰を急ぐことが、二刀流としての完全復活を遅らせる危険性があると主張している。

 打者・大谷が欠場時のタレントも存在するという。昨季一塁で70試合に先発し、故障で悪化させた左ひざと右肘手術から復帰したアルバート・プホルス内野手がDHで、フィリーズからFAで獲得したジャスティン・ボーア内野手が一塁に入るために、名物コラムニストは「オオタニを急がせる理由は全く存在しない」とまで断言している。

 不振のスプリングトレーニングから圧巻の大活躍でブルーム記者ら数々の米国人記者から掌返しの称賛を受けた大谷。打者として活躍しながら、投手としても予定通りの復活を遂げることで、またしても米国での悲観論を跳ね除けることができるだろうか。(Full-Count編集部)

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