「知的対流拠点」関連のまちづくりに公的支援検討

 国土交通省は2月14日、国土審議会計画推進部会「第12回稼げる国土専門委員会」を開催し、「稼げる国土」の形成を促進するための施策の方向性を示した。「稼ぐ国土」にするための方策として、都市部と地域、都市部と地域間にある独自の個性を生かした付加価値を具現化して経済活動を行う「知的対流拠点」化の推進を挙げた。

 「知的対流拠点」とは、個人の知恵が組織の壁を超えて対流することで価値を生み出す、物理的な場や関係者同士のネットワークのこと。資本集約型社会から知識集約型社会へと社会構造の変化が進む中で、高速で大容量の情報を送ることができる社会環境により都市部と地域の格差が縮んでいる。骨子案ではこれを「地方に到来したチャンス」と捉え、さまざまな分野のヒトや情報が業種の壁を超えて知的対流を行うことが重要であるとした。

 資本集約型社会にあるコストや機能性、品質、耐久性等の価値とは別に、知識集約型社会に生まれる「共感を呼ぶ価値」への評価が高まっている点を挙げ、地域に「共感を呼ぶ価値」を引き出して稼げる仕組み化を進めることを提案。「共感を呼ぶ価値」の事例としてサステナビリティという価値や手作りする職人が製品に込める魂への共感を呼ぶ価値などを挙げた。地域における「知的対流拠点」の整備を推進し「共感を呼ぶ価値」の仕組みを具体化することで、各地域にある技術や産品等の高度化・高付加価値化の促進をめざす。

 「知的対流拠点」を生み出すため、課題解決に向け志のある者と高付加価値化に繋がる知見のマッチングやまちづくりのための人材育成に対して一定の公的支援することを提案した。

 次回の委員会開催は3月20日。委員会としてのとりまとめを行う予定。

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