「島だからこそ」を胸に 五島 山田大(上五島高)力強く宣誓

 「平成最後のこの大会に大きく、確かな足跡を残すことを誓います」。選手宣誓した五島の山田大(上五島高)は、ずっと大事にしてきた気持ちを一文一文に込めた。自分は島だからこそここまで成長できたし、これからも頑張れるんだ、と。
 この大会を走ったこともある父の影響で、幼稚園の頃から陸上を始めた。毎年、家族でテレビ観戦する箱根駅伝に出ることが、小学時代からの夢。魚目中3年の時には全国都道府県対抗男子駅伝に出場して、県内外の高校から誘いを受けた。でも「育ててもらった上五島の高校を卒業して箱根を走ることに大きな意味がある」と強く感じた。
 遠征では船を使うが、走って力をつける場所は島にある。いろんな人に支えられて練習を重ね、昨年の県高総体3000メートル障害でV。だが、続く北九州地区予選で、目標だったインターハイ出場を逃した。この3年間は「悔しさの方が強い」。
 憧れるのは、中学時代に全国でたすきを渡したマラソンのトップ選手、井上大仁(MHPS)。4月からはそのヒーローの母校・山梨学院大で夢を追う。高校ラストランの県下一周は、その弾みをつける絶好の機会だ。
 小学5年から8年連続の出場で今回は第1日の1区(10.2キロ)と最終日の6区(12.3キロ)を予定。「自分の成長を感じられ、五島が一つになる特別な大会」で、すべてを出し切る。
 何よりも島のために。「18年間、ありがとう。これからも、見守って」という感謝と覚悟を胸に抱いて。

力強く選手宣誓する五島の山田大(上五島高)=長崎新聞文化ホール

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