トヨタ プロボックスハイブリッド 実燃費レポート | ビジネスマンの相棒!公道最速マシン!? の燃費の実力やいかに

トヨタ プロボックス DXコンフォート(ハイブリッド車)/ボディカラー:ホワイト│駆動方式:2WD│WLTCモード燃費:22.6km/L

トヨタ プロボックスハイブリッドの実燃費を徹底検証!

トヨタ プロボックス DXコンフォート(ハイブリッド車)/ボディカラー:ホワイト│駆動方式:2WD│WLTCモード燃費:22.6km/L

今回の燃費テストに持ち出したのは、日本のビジネスマンの相棒であるトヨタ プロボックスだ。2002年にカローラバンの後継として誕生したプロボックスは、2014年に実質フルモデルチェンジと言ってもいいほどの大改良を受け現在のモデルとなっている。

そして昨年11月に待望のハイブリッド仕様が追加されたということで、今回はそのハイブリッド仕様の燃費チェックをすることとなったのだ。

プロボックスに搭載されるハイブリッドシステムは、1.5リッターの1NZ-FXEエンジンに1LM型のモーターを組み合わせたもので、エンジン、モーター出力も含め、アクアやカローラハイブリッドに搭載されているものと基本的に同一のものとなっている。唯一異なるのはミッションの減速比で、アクアなどに比べてややローギヤードなものが採用されている点が、商用車であることを感じさせるポイントとなっている。

◆プロ仕様の工夫が沢山!プロボックスの内外装を画像でチェック

起用グレード

トヨタ プロボックス DXコンフォート(ハイブリッド車)/ボディカラー:ホワイト│駆動方式:2WD│WLTCモード燃費:22.6km/L
トヨタ プロボックス DXコンフォート(ハイブリッド車)/ボディカラー:ホワイト│駆動方式:2WD│WLTCモード燃費:22.6km/L

今回のテストに使用したプロボックスハイブリッドは、上級グレードに位置する「F」や「GL」ではなく、最量販グレードとなるであろう「DXコンフォート」となっている。そのため、バンパーは無塗装、ホイールキャップもなく、シートもヘッドレスト一体式のハイバックシート、さらにパワーウィンドウは運転席のみといった具合だった。外観上もガソリン仕様とほとんど差異はなく、左右フェンダーとリアゲートに付けられた「HYBRID」エンブレムと、トヨタマークがブルーの加飾が入ったものに変わる程度である。

燃費テスト概要

今回の燃費測定は1月29日に行い、天候は晴れだったものの、最高気温は10度に満たない中でのテストとなった。朝10時ごろに青山にあるオートックワン編集部を出発し、高速、郊外路、市街地・街乗りの順で走行し、16時ごろに再びオートックワン編集部へ戻るルートを選択した。

燃費の数値は車両の燃費計を使用し、総合燃費のみ各セクションの数値を元に計算したものとなっている。エアコンは24度設定のフルオートで、ECOモードは未使用。全域をDレンジで走行している。

トヨタ プロボックスハイブリッドの総合実燃費は…?

トヨタ プロボックスハイブリッドの実燃費は26.1km/L

結論から言うとトータルで160.1kmを走行し、全行程を走り切ったトータルの燃費は26.1km/Lとなった(セクション燃費から計算した数値)。WLTCモード燃費の数値は22.6km/L、JC08モード燃費でも27.8km/Lということで、かなり良好な数値と言えるだろう。会社から支給されたプロボックスでエコ走行をしようとする人は少ないかもしれないが、おとなしく走ればこのくらいの数値が叩き出せる、という参考になれば幸いである。

それではここからは走行シーンごとの燃費や走りっぷりなどをお伝えしていこう。

トヨタ プロボックス DXコンフォート(ハイブリッド車)/ボディカラー:ホワイト│駆動方式:2WD│WLTCモード燃費:22.6km/L

トヨタ プロボックスハイブリッド 実燃費レポート | 市街地編

トヨタ プロボックスハイブリッドの市街地・街乗りでの実燃費:23.7km/L

トヨタ プロボックス DXコンフォート(ハイブリッド車)/ボディカラー:ホワイト│駆動方式:2WD│WLTCモード燃費:22.6km/L

市街地走行はハイブリッド車の得意分野。一番燃料を消費する発進加速時はモーターがアシストしてくれるし、渋滞中はアイドリングストップで無駄な燃料も消費しないので、これらがない車種に比べて燃費の悪化を最小限に抑えてくれる。

WLTC市街地モード燃費は21.8km/Lとなっているが、今回の走行では53.1kmの道のりを走破してメーター上の燃費は23.7km/Lとなった。商用バンではあるが、無駄なアイドリングが抑えられているため車内は意外と静かであった。

ハイバックシートも見た目こそシンプルだが、ホールド性も昔の商用車のイメージをもって座るとびっくりするくらい良くなっている。この辺りは細かいところに配慮するトヨタらしい点と言えるだろう。ただ、安全装備のトヨタセーフティセンスに付随する先行車発進告知機能は結構シビアで、ちょっとでも発進が遅れると「ピッ」と警告音を発するのが少々煩わしいと思うことがあった。

トヨタ プロボックス ハイブリッド 実燃費レポート | 郊外路編

トヨタ プロボックス DXコンフォート(ハイブリッド車)/ボディカラー:ホワイト│駆動方式:2WD│WLTCモード燃費:22.6km/L

トヨタ プロボックスハイブリッドの郊外路での実燃費:27.2km/L

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郊外路は走行車両も信号も少ないため、一定のペースで走行できるシーン。今回は29.0kmの走行で、メーター上の燃費数値は27.2km/Lとなった。WLTC郊外モード燃費は23.7km/Lということで、カタログ燃費を大きく上回る数値をマークしたことになる。

プロボックス自体が商用車ということもあり、足回りがやや硬めのセッティングとなっているため、左右のコーナーが続くような場所ではスポーティさを感じる動きを見せてくれた。しかし、そもそも装着しているタイヤが155幅のLTタイヤなので、ステアリングへのインフォメーションは希薄。これで首都高をかっ飛ばしているドライバーはすごいな……というのが偽らざる感想である。

トヨタ プロボックス DXコンフォート(ハイブリッド車)/ボディカラー:ホワイト│駆動方式:2WD│WLTCモード燃費:22.6km/L
トヨタ プロボックス DXコンフォート(ハイブリッド車)/ボディカラー:ホワイト│駆動方式:2WD│WLTCモード燃費:22.6km/L
トヨタ プロボックス DXコンフォート(ハイブリッド車)/ボディカラー:ホワイト│駆動方式:2WD│WLTCモード燃費:22.6km/L

トヨタ プロボックスハイブリッド 実燃費レポート | 高速道路編

トヨタ プロボックスハイブリッドの高速道路での実燃費:27.6km/L

トヨタ プロボックス DXコンフォート(ハイブリッド車)/ボディカラー:ホワイト│駆動方式:2WD│WLTCモード燃費:22.6km/L

最後は高速道路を通るルートを振り返る。今回は芝公園出入り口から首都高に乗り、東京湾アクアラインを経由して圏央道の茂原長南インターで下りるルートを走行し、走行距離は78.0kmとなった。メーター上の燃費計は27.6km/Lと、WLTC高速モード燃費の22.3km/Lを大きく超える数値となった。

実は減速比がローギヤード化されている影響か、WLTCモード燃費で見ると高速モードよりも郊外モードの方がよい数値となっているのだが、今回はアクアラインが強風で速度制限がかかっており、若干アベレージスピードが落ちたことが功を奏したのかもしれない。

ちなみにプロボックスハイブリッドには、路面の凹凸による車体の上下動を抑制し、なめらかでフラットな乗り心地に貢献する「ばね上抑制制御」が採用されている。実際に非装着のモデルと乗り比べていないので何とも言えないが、言われてみれば高速道路の継ぎ目でバタつく印象がなかったことをお知らせしておこう。

トヨタ プロボックスハイブリッド 実燃費レポート | 総合実燃費編

トヨタ プロボックス DXコンフォート(ハイブリッド車)/ボディカラー:ホワイト│駆動方式:2WD│WLTCモード燃費:22.6km/L

トヨタ プロボックスハイブリッドの総合実燃費:26.1km/L

今回のプロボックスハイブリッド燃費テストは、街乗り・郊外路・高速道路と合わせて160.1kmを走った結果、総合実燃費は26.1km/Lとなり、WLTCモード燃費の22.6km/Lを大きく超える結果となった。

ガソリンモデルのテストをしていないので単純比較はできないが、カタログ値でいうとリッター当たり8.2kmの差があるものの、燃費の違いだけでガソリンの1.5リッターモデルとの価格差25万円を埋めるのは容易ではないだろう。

しかし、カローラフィールダーのハイブリッドモデルに比べればこちらの方が25万円以上お安くなるし、モーターアシストによる出足の良さはガソリンモデルのそれを大きく上回る。結局どこに主眼を置いてビジネスカー選びをするのかで需要は大きく違ってくるのだろう。

ただこうなると、遊びに使えて燃費もいいレジャービークルとして、初期モデルに存在していたワゴン版が欲しくなるところ。豪華さはいらないから、毎年車検の4ナンバーではなく、2年車検の5ナンバーモデルが欲しいと思ってしまったのは私だけではないのでは?

[筆者:小鮒 康一 / 撮影:小林 岳夫・小鮒 康一]

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