スタートから30年が経過し新たな施設も リゾート感漂うDeNA宜野湾キャンプ

DeNAの1軍がキャンプを行う「アトムホームスタジアム宜野湾」【写真:広尾晃】

建築から30年が経過し、各施設には改修工事に入った

 DeNAベイスターズの1軍は、1988年から沖縄県宜野湾市の「アトムホームスタジアム宜野湾」(旧名称宜野湾市民球場)で春季キャンプを行っている。

 宜野湾市は沖縄の県庁所在地の那覇市にも近く、アクセスも良好。メイングラウンドは、宜野湾海浜公園の中にある。周囲にはサブグラウンドや宜野湾市立屋内運動場などもあり、キャンプ地としての設備は整備されていた。キャンプ内にある宜野湾市立体育館は、Bリーグ・琉球ゴールデンキングスの本拠地としても使用されている。

 さらに隣接して沖縄コンベンションセンターやビーチもあり、沖縄県を代表するリゾート施設として県民には広く知られている。昨年9月15日には、沖縄コンベンションセンターで、安室奈美恵の最後のライブパフォーマンス・ステージが行われた。ちなみに宜野湾海浜公園は市営、沖縄コンベンションセンターは県営だ。

 しかし、建築から30年が経過し、各施設は老朽化が進んでいる。沖縄コンベンションセンターも改修工事に入ったが、DeNAが雨天などの練習に使用している宜野湾市立屋内運動場も、照明や施設が古くなってきたため、昨年までサブグラウンドとして使用してきたエリアに新たに「屋外運動場(仮称)」を建設することとし、昨年12月に着工した。「屋外運動場」という仮称だが、屋根付きの屋内練習場だ。

新施設はアリーナ、トレーニング室、研修室など完備される

 新施設には、野球の守備練習や各種スポーツに対応した56メートル×56メートルのアリーナ(人工芝)をはじめ、トレーニング室、研修室、倉庫、シャワー・ロッカー室などが完備される。春季キャンプ以外の時期には、フットサルなどの施設としても利用される。今年10月下旬に完成する予定。来春からは、DeNAナインは、最新の設備が整った屋内練習場で練習することになる。新施設の完成に伴ってこれまで使用してきた屋内運動場は取り壊される予定。

 新施設の建設に伴って、これまでのサブグラウンドは、メイングラウンドの西側、多目的広場の北に設けられた。またこれに隣接して、ブルペンも新設された。

 投手陣は昨年までは、屋内練習場から隣のブルペンまで移動するだけだったが、今年は広い多目的広場の横の道を通って新しいブルペンに歩いて移動することになり、ファンとの交流の時間が増えた。道沿いにやきそばやスナックのキッチンカーが出ているが、そこで食べ物を買う選手の姿も見られた。また時間短縮のために自転車で移動する選手もいる。

 選手の移動を邪魔しないように遠巻きにして、写真を撮るファンが多かった。宜野湾海浜公園は、名前の通り東シナ海に面している。リゾートの香りがする美しいキャンプ地だ。ブルーのベイスターズのユニフォームも良く映えている。平均気温は20度を超える。ゆったりとした気分で訪れてはいかがだろうか。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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